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  • 7月9日:個人向けガンワクチンをオーダーする日がやってきたII(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    昨日は個人用ガンワクチンについてのハーバード大学からの論文を紹介して、この分野の進歩を実感してもらった。実は同じ号のNatureにドイツ・マインツ大学が中心のグループが、異なる方法を用いた個人用ガンワクチンが可能であることを示す論文を発表しているので、公平を期すため昨日に続いて、紹介することにした。論文のタイトルは「Personalized RNA mutanome vaccines mobilize poly-specific therapeutic immunity against cancer (ガン細胞の変異を反映させたRNAのmutatome(突然変異を網羅的にリストして作成する)ワクチンは、ガンに対する複数の多様性の治療的免疫反応を誘導する」だ。 ステージの進んだメラノーマに対する、個人用ガンワクチンを実現するという点ではこの研究も同じだが、放射線照射や抗がん剤など一般的メラノ

  • 7月8日:個人向けガンワクチンをオーダーする日がやってきた(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    新しいガン治療として抗PD-1抗体治療が注目され、患者さんの期待を集めている。ただメディアやウェッブでの情報提供の有様を見ていると、この治療法が決してガンに対する直接的な治療ではなく、間接的な免疫治療であることを正確に理解している人がどの程度おられるのか心配になる。 例えば2−3割の人にしか効果がないことがよく問題になるが、ガンに対する免疫が成立していなければこの治療は無駄だ。逆にもしガンに対する免疫反応を誘導できれば、この治療法の恩恵にあずかれる人は大きく増えるだろう。 従って、今、最も重要なのは、ガンに対する特異的免疫反応誘導法を確立することで、治療にはまず個々のガンに発現する抗原を特定し、その抗原をワクチンとして免疫し、PD-1による免疫反応抑制がかかってきたときに、抗PD-1抗体を投与して免疫反応を維持するのがゴールになる。 今日紹介するハーバード大学からの論文は、実際のステージI

  • 6月23日:抗原からT細胞受容体を推定する(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    感染やガン、あるいはアレルギーで、抗原はわかっているのだが、それに対してどのT細胞受容体(TcR)が反応してくるのかを予測することは簡単でない。もともと、ランダムに再構成を遂げたTcRの組み合わせの中から選ばれることを考えると、予想不可能だろうと諦めているところがある。しかし、抗原とTcRの結合は化学的な分子結合であれば、必ず何らかの法則性が存在するはずだ。 今日紹介するメンフィス・セントジュード病院からの論文は、一つの抗原エピトープに対するTcRの遺伝子配列を比べることで、TcR側の法則性が見つからないかという重要な問題に挑戦した論文でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「Quantifiable predictive features define epitope specific T cell receptor repertoires(特定の抗原エピトープに対するTcRレ

    keloinwell
    keloinwell 2017/06/23
    面白そうな論文だ
  • 6月14日:CDK4とCDK6の違い:細胞周期による代謝リプログラムを標的としたガン治療(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 6月14日:CDK4とCDK6の違い:細胞周期による代謝リプログラムを標的としたガン治療(Natureオンライン版掲載論文) DNA合成開始から、細胞分裂まで、正確なタイミングで細胞増殖が続くためには、細胞周期の各段階に特異的に働くサイクリンとサイクリン依存性キナーゼが必要だ。この中でDNA合成へと移行するG1期を調節しているのがcyclin D1−3とcdk4とcdk6だが、Rb1のリン酸化部位が異なることはわかっていても、cdk4とcdk6の間の機能的区別については明確でなかった。実際、細胞周期を標的に開発された阻害剤はcdk4/cdk6阻害剤とひとまとめにされている。 今日紹介するボストン・ダナファーバーガン研究所からの論文はcdk6には代謝を調節する別の機能が存在し、これを標的にすることで既存のcdk4/cdk6阻害剤をより

    keloinwell
    keloinwell 2017/06/22
    CDK6がPFK1とPKM2をリン酸化することで活性を抑え、NADPHやglutathioneの合成を促進し、活性酸素の働きを抑え、がん細胞の細胞死を防いでいる
  • 6月9日:エクソゾームを治療に使う(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    エクソゾームとは細胞から出芽するように飛び出して、細胞外に分泌される小胞で、血中で安定であること、また元の細胞が発現している様々な分子を含んでいることから、ガンの診断に使えないか研究が行われている。分泌されたエクソゾームは離れた場所の細胞に取り込まれていることもわかっている。エクソゾームをミサイルのように使ってがん細胞が周りの環境を自分に都合のいいようにリプログラムしている可能性を調べる研究もずいぶん行われている。 しかし、今日紹介するテキサス・MDアンダーソンガン研究所からの論文のように、エクソゾームをガンの治療に使おうとする試みはそうないと思う。タイトルは「Exosomes facilitate therapeutic targeting of oncogenic KRAS in pancreatic cancer(エクソゾームは膵臓癌のドライバーKRAS標的治療を可能にする)」だ。

  • 6月6日:慢性痛の新しいメカニズム(5月31日号Science Translational Medicine掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 6月6日:慢性痛の新しいメカニズム(5月31日号Science Translational Medicine掲載論文) 11個のアミノ酸がつながったサブスタンスPと呼ばれるペプチド(SP)は、ニューロキニン受容体(NKR)を介して、痛み刺激を伝達するシナプスの神経伝達因子として働いている。他にも、中枢神経では不安やストレスに関わることが分かっており、NKRを標的とする薬剤が痛み止め、抗うつ薬などの治療目的に開発されてきた。しかしこれまで開発されたNKR阻害剤は、慢性の痛みには効かないことが多く、この原因についての解明が待たれていた。 今日紹介するオーストラリア・モナーシュ大学からの論文は、NKR阻害剤が効かない原因として、刺激によりSPに結合したNKRが細胞内エンドゾームに隔離され、そこで神経を刺激し続けるためであると特定した研究で

  • 6月5日:水の味(Nature Neuroscience掲載論文) | AASJホームページ

    私たちの感覚にとって、H2O、すなわち純水が刺激として働くなど考えたことはなかった。というのも、水は私たちの体の6割を占め、感覚器の周りにあまりにも多く存在しすぎているし、刺激物を溶かす媒体にはなりえても刺激物としての資格を備えているようには思えない。 しかし今日紹介するカリフォルニア工科大学からの論文を読んで、純水の感覚刺激について考えている人たちがいるのを知って驚いた。責任著者は岡さんという方で、アメリカで独立している若手の日人のようだ。タイトルは「The cellular mechanism for water detection in the mammalian taste system (哺乳動物味覚システムが味を感知する細胞メカニズム)」で、Nature Neuroscienceオンライン版に掲載された。 タイトルを読んで、面白いことを考える人がいると感心したが、イントロダク

  • 5月18日:メトフォルミンによる脆弱X症候群治療(Nature Medicineオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    自閉症は遺伝性の強い疾患だが、多くの遺伝子が組み合わさって病気が起こるケースがほとんどだ。しかし、まれに単一の責任遺伝子が明らかになっている場合があり、従って自閉症の場合エクソーム検査などの遺伝子検査は必須の条件だ。 これに対し、治療法がなければ遺伝子検査も意味がないと批判が出るが、やはり病気の原因を確定することからしか病気と向き合うことは難しい。 今日紹介するカナダモントリオール大学からの論文は遺伝子診断により治療可能性が生まれることを教えてくれる研究でNature Mediineオンライン版に掲載された。タイトルは「Metformin ameliorates core deficits in a mouse model of fragile X syndrome(メトフォルミンは脆弱X症候群のマウスモデルの主要な症状を改善する)」だ。 タイトルにある脆弱X症候群 (FXS)は、RNAに

  • 5月16日:マクロファージによる抗PD1抗体への耐性獲得メカニズム(5月10日号Science Translational Medicine掲載論文) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 5月16日:マクロファージによる抗PD1抗体への耐性獲得メカニズム(5月10日号Science Translational Medicine掲載論文) 抗PD-1抗体によるチェックポイント阻害治療は、がんの根治を可能にすると大きな期待を集めているが、効果が一部の人に限られ、根治に至るまでに再発するケースが多いことなど、治療費の高いことを考えると、まだまだ改善への努力が必要になる。もちろんそのためには、抗体が効かない個体では何が起こっているのかなど、抗体に耐性を持つメカニズムを解明する必要がある。 今日紹介するマサチューセッツ総合病院からの論文は、キラーT細胞に結合した抗PD-1抗体をマクロファージがT細胞からひきはがすことが耐性のメカニズムの一つであることを示した研究で5月10日号のScience Translational Med

  • 5月10日:クモの糸(Nature Geneticsオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    クモの巣を見てその美しさと合理性に驚かない人はないだろう。現在地球には46000種を越すクモが存在しているが、ほとんどが何らかの形で糸で餌をからめとるのに使っている。 しかし今日紹介するペンシルバニア大学からの論文が私にとっては最初のクモの糸についての論文で、その想像を超える複雑さに驚いた。おそらく研究人口が少ないため、論文を目にする機会がそう多くないのだろう。タイトルは「The Nephila clavipes genome highlights the diversity of spider silk genes and their complex expression(ジョロウグモのゲノム解読によりクモの糸の多様性と複雑な発現が明らかになった)」で、Nature Geneticsオンライン版に掲載された。 もともとこの研究グループがクモの巣に焦点を当てて研究していたのかどうか把握して

  • 5月7日:視床の神経活動調整機能 II(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    昨日は、学習したルールを思い起こして行動に移るまでの前頭前皮質の中での神経細胞同士のシナプスリレーを維持するために、視床の背内側核からの刺激が必要であることを示した論文を紹介した。 今日紹介するバージニア大学からの論文は、学習したルールに従って運動を起こす前に運動皮質前部(ALM)で観察される、いわば行動準備のための神経活動に視床との結合が必須であることを示した研究で、タイトルは「Maintenance of persistent activity in a frontal thalamocortical loop(前頭部の視床皮質ループの持続的活動を維持する)」だ。 この研究で使われている課題は少し変わっている。まずマウスのヒゲの前方あるいは後方を刺激して、どちらの刺激を受けたかを、鼻先に置かれた左右2つの標的のどちらかを舐めるという動作で表現できるように訓練する。ヒゲが刺激された後ブザ

  • 5月6日:視床の神経活動調整機能 I(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    Natureオンライン版に視床の神経機能についての論文が2編も出ていたので、紹介することにした。私たちの学生の頃は、視床を感覚刺激が大脳皮質に伝わる中継点として考えれば良かったが、最近の研究で実は脳全体のハブとして脳内各領域と相互に作用していることがわかっている。今の学生さんにはいないだろうが、脳幹は基的な生命機能を調節しているで済ませていたのは昔の話だ。 今日(1日目に)紹介するニューヨーク大学からの論文はマウスが課題として与えられたルールに従って行動するときに、このルールの維持に視床が関わっていることを示した論文で、タイトルは「Thalamic amplification of cortical connectivity sustains attentional control(皮質の結合を高める視床の作用で注意力を維持するとができる)」だ。 この研究では音で合図をした後、異なる二つ

  • 4月28日:夢を見るメカニズム(Nature Neuroscienceオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    今までの知識が全く間違っていることを知って驚くことは珍しくないが、今日紹介するウィスコンシン大学からの論文を読んだ驚きはなかなかないだろう。この論文のタイトル「The neural correlates of dreaming(夢を見ることに関連する神経活動)」が示すように、夢を見ているときの脳活動についての研究で、Nature Neuroscienceに掲載された。 このブログで何度も書いてきたように、私たちが夢を見るのは、REM睡眠と呼ばれる目を盛んに動かしているときだと思っていた。ところがこの論文を読むと、すでに夢にREM睡眠が条件ではないことが明らかになっていたようで、ノンレム睡眠(NREM睡眠)時に被験者を覚醒させた場合でも、夢を見ていたというレポートは数多く発表されているようだ。 ではいつ私たちは夢を見るのか?また夢を見ているときを脳イメージングから予測できるか?この問題に挑戦

  • 4月21日:子育て行動の多様化に関わる遺伝的背景(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    鳥類や哺乳類では、子育てが種の保存に必須の行動になっている。子供が独立できるようになるまで親が甲斐甲斐しく世話をやく野生動物の行動をみて、親の愛に感動するが、この時子供に愛を傾ける「親」の内容は大きく異なる。 子育てはもっぱら父親という種も存在するが、多くの場合やはり主体は母親になる。また、主役が母親でも、父親の協力形態には大きな差がある。この差の一つに、social monogamyとgenetic monogamyがある。Social monogamyではオスとメスがペアを形成して子育てをするのだが、わかりやすく言えば子育てペアが子作りペアと必ずしも一致しない。一方genetic monogamyはこれが完全に一致している。 今日紹介するハーバード大学からの論文はこのsocial monogamyとgenetic monogamyの違いの多様性が生まれる遺伝的背景についての研究でNat

  • 4月16日:CRISPRは検査にも使える(Scienceオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    何度も強調してきたが、大きなイノベーションはあらゆる分野に広がる。CRISPR/Cas研究を見ればそのことがよくわかる。すなわち効率の良いゲノムやRNA編集が可能になれば、生命情報をいくらでも操作できるということで、DNA,RNA情報に依存する生物を思い通り操作できるということだ。もちろん、中間の過程は理解できているわけではないが、その有効性は情報生物学とも言える分子生物学によって証明済みだ。これは生命を操作するという目的だが、情報操作であれば、人間に情報を伝える方法の開発にも使える。 今日紹介するハーバード大学のFeng Zhang(CRISPR特許をめぐる法廷闘争で現在話題の研究者だが、光遺伝学を始め様々な技術を開発するアイデアマンだと思う)研究室からの論文はこのシステムを高感度の微生物診断に使える可能性を示した論文で、Scienceオンライン版に掲載された。タイトルは「Nucleic

  • 4月15日ALSのもう一つの治療標的Ataxin2(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    4日前にC90RF72遺伝子の繰り返し配列の増幅変異によるALSを、ポリGPに対するアンチセンスRNAで治療する可能性を示す動物モデルを用いた前臨床実験を紹介したばかりだが、次の週のNatureにまた新たな治療標的 ataxin-2についてのスタンフォード大学の論文が発表されたので紹介する。タイトルは「Therapeutic reduction of ataxin-2 extends lifespan and reduces pathology in TDP-43 mice(TDP-43マウスモデルでataxin-2を治療的に低下させると病理変化を軽減し、生存期間が伸びる)」だ。これほど相次いで論文が出ると、紹介する方もうれしい悲鳴を上げることになる。 ALSの治療標的を確かめるにはモデル動物が必要で、前回はC90RF72遺伝子内のGGGGCC繰り返し配列が何百倍にも増幅するタイプのALS

    keloinwell
    keloinwell 2017/04/16
    "タンパク質がストレス顆粒に蓄積するのを抑制することができれば、病気の進行を遅らせることができることを示した点でこの研究は重要だ。"
  • 4月14日:WGS遺伝学の時代がやってきた(4月13日号Nature掲載論文) | AASJホームページ

    大きな研究室に長くいて、そのまま教授になれるのは限られた人で、多くは慣れ親しんだ研究室を離れて独立する。こじんまりとした研究室であまりコネもなく研究していた私も、30代で幸い独立することができたが、お金のないこの時が一番大変だった。当時様々な遺伝的形質を示す突然変異マウスの遺伝子を決めるトレンドに乗って、現在鳥取大学の教授をしている林さんらが大理石病マウスの遺伝子を決め、これでお金もなんとか来るようになった。ただ苦労は多いが、今振り返ると独立したばかりの時代が最も楽しかったのも確かだ。その意味で、若い人が一人でも独立して挑戦できる環境を整えることが我が国の科学力を高める最も重要な課題だと思い、京大再生研やCDBの設立に関わった。 独立して以降の発生学を考えると、最初突然変異マウスの遺伝子特定から始まった遺伝学的手法の導入は、その後遺伝子ノックアウトから始めるreverse genetics

  • 4月4日:深呼吸で心が休まるメカニズム(3月31日Science掲載論文) | AASJホームページ

    通常呼吸を意識して行うことはない。延髄にある呼吸中枢が自然に吸気・呼気のサイクルを生成し横隔膜や肋間筋を動かす。さらに、呼吸中枢では意識しないでも末梢から様々な情報を集めて需要に応じた呼吸数を維持してくれる。しかし呼吸は意識して調節することもできる。例えば山登りの時意識して呼吸のリズムを取ると調子が維持できる。あるいはカッカして呼吸が早まった時、深呼吸をして呼吸を整えることもできる。面白いのは、深呼吸をすると今度は意識の方に働きかけて、カッカしていても気が落ち着くことだ。 今日紹介するスタンフォード大学からの論文はこ延髄にある呼吸中枢と、大脳の高次機能とをつなぐ回路についての研究で3月31日号のScienceに掲載された。タイトルは「Breathing control center neurons that promote arousal in mice(呼吸中枢に存在してマウスの覚醒状態

    keloinwell
    keloinwell 2017/04/09
    これは面白い
  • 4月2日:ビタミンCによるガン治療(4月10日号Cancer Cell掲載論文) | AASJホームページ

    ビタミンCはその強い還元能力で体の活性酸素を抑えて、細胞を守ることで、老化を防止し、美容やがんの発生に役にたつと思っている人は多い。いかがわしいトクホが横行する中で、ビタミンC飲料は間違いなく効果が確かめられた飲料と言っていいだろう。中でも、風邪に効果があると思っている人は多いはずだ。先週Nutrientという雑誌に発表されたフィンランドのHemilaという研究者の総説によると、1日6−8gという大量のビタミンCを服用すれば確かに症状の出る期間を短縮できることはまちがいないようなので、風邪にかかったら安心して、しかし大量に飲めばいい。 ただ、もしビタミンCが細胞を酸化ストレスから守ってくれているなら、同じようにガン細胞もビタミンCに守られることになる。しかしガンの放射線や化学療法を補助する意味でビタミンCの点滴を行っているグループがあるが、これはガンを助けてしまわないのかと心配になる。 こ

  • 3月21日:新しいサイトカインシグナルの概念II:刺激細胞を変化させる(3月9日号Cell掲載論文) | AASJホームページ

    昨日に続いて紹介する新しい方向性のサイトカインシグナル論文はc-Kit分子のリガンドSCF(Stem Cell Factor)についての研究だ。タイトルは「Decoupling the functional pleiotropy of stem cell factor by tuning c-kit signaling(Stem cell factorの多面性をc-Kitシグナルをチューニングすることで解消する)」。 まだ京大医学研究科にいる時、Amgenが白斑治療の可能性について専門家の会議をしたいというので参加したことがある。白斑の治療を薬剤治療から細胞移植まで、あまりデータにこだわらず自分の意見を自由に語るフランクな会議だったが、当然色素幹細胞の増殖を調節する鍵となるサイトカイン、SCFの臨床利用についても議論になった。例えばサルに投与すると、顔が真っ黒になる程色素細胞への効果はある