「ずっと前から好きでした」の殺傷力はなかなかのもの。 幼なじみの男子への告白を、「予行練習」と誤魔化したことから始まるすれ違いを描いたボカロが原作で、マンガや小説になり、映画にもなっている。息子がくり返し聴いているので耳にタコができている。 息子がハマっているノベライズ版『告白予行練習』を読んでみると、これがまた超絶×極甘仕立てとなっている。糖尿病になるくらい甘々で、耐性があればキュンキュンし通しだし、なければ悶死すること請合う。キラキラした甘酸っぱい青春模様は、別の星・別の生物を眺めているくらい非現実的だ(なんだよあの頭のお団子は!?)。同時代の頃は眩しすぎて目を背けていたのだが、なるほど高校恋愛はこういうのが理想なのか……と感慨深い。高校生のわたしなら、直視に耐えかね、瞬殺されていただろう。 わたしが薦める作品を放り出し、自分で「好き」を探索する子を見ていると、ちょっと寂しい。期間も経