35人が亡くなるなど、大きな被害が出た「京都アニメーション」の放火事件では、京都労働局が労災の認定に前向きだと伝えられています。認定されれば、遺族や負傷者が労災の補償を受けられます。 仕事中、なんの落ち度もないのに被害にあったのだから、労災は当然だと思う人もいるでしょう。しかし、実際は勤務中だったからといって、必ずしも業務災害と認められ、労災保険の給付が受けられるわけではありません。 労働問題にくわしい波多野進弁護士は、京アニ事件で労災が適用されそうなことに、ホッとしたひとりです。 「第三者の『犯罪行為がたまたま会社で起こっただけ』として、労災が認められないことがあるからです」 実際、厚生労働省の労災パンフレットにも、事業場施設内での仕事中であっても業務災害として認められない例の一つとして、「労働者が個人的な恨みなどにより、第三者から暴行を受けて被災した場合」が挙げられています。 労災パン