(数多 久遠:小説家・軍事評論家) 4月1日に防衛省の外局、防衛装備庁に「F-2」後継となる次期戦闘機担当の装備開発官が置かれると同時に、次期戦闘機開発を“我が国主導”で進める方針が定まりました。 それを受けて報道も活発化していますが、それらの報道には、“我が国主導”による次期戦闘機開発の実現に疑問を呈する論調が少なからず見られます。 しかしながら、防衛省には、誰が見ても極めて困難な“我が国主導”という方針を打ち出さなければならない理由があります。同時に、開発が容易な訓練機を改造した軽戦闘機ではなく、開発が困難な大型で高機能の新型戦闘機を目指さなければならない理由があります。 以下では、そうした防衛省の事情を踏まえて、今後のF-2後継機開発の展望を述べてみたいと思います。 なぜ“我が国主導”を打ち出す必要があるのか 防衛省は、国内での開発能力を維持する分野を絞り、その分野にリソースを集中す