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ブックマーク / med-legend.com (13)

  • 医学都市伝説: お札は麻薬まみれ?

    国際犯罪学雑誌2007年4月号に掲載された論文、「麻薬取引用紙幣と一般貯蓄金の違い」より。 麻薬(ここではヘロイン)取引に使われた現金には、微量ながら麻薬が付着している事が多いのだそうである。この論文の著者たちは、3つの場合にわけて、麻薬が付着するプロセスを検討し、一般流通紙幣の麻薬付着可能性との比較を行っている。 残念ながら、無料では論文の抜粋しか読めないので、計算の詳細はもう一つはっきりしないのだが、麻薬取引現場に持ち込まれた紙幣を質量分析にかけると、その麻薬汚染率は相当高く、その金と10週間一緒に保管された紙幣にもかなりの割合で汚染が移行する。 これは、数学的モデルから予測される一般流通紙幣の汚染可能性が0.3%であることと比べ、有意に高いものであるとのこと。これを利用して、取引された麻薬量を推測するだけでなく、麻薬蔓延状況の指標を得ることも出来るというのが、著者たちの結論である。

    kenjeen
    kenjeen 2007/05/14
  • 医学都市伝説: ルシファー効果

    スタンフォード監獄実験という心理学実験について、聞いたことがある方は数多いであろう。1971年夏、スタンフォード大学心理学教室のフィリップ・ジンバルドによって計画され、予想以上の問題点を露呈して予定日程なかばで中止された実験である。Wikipediaにその詳細がアップされているので、興味ある方は参照して頂きたい。 この実験が意図していたのは、人間の残虐性というものが個別的な性質によるものなのか、社会的な役割によって導かれるものなのかを確かめることであった。実験は、ボランティアから、性格や行動上の偏倚が少ないと判断された被験者21名を、ランダムに囚人10人と看守11人に振り分け、2週間の予定でその行動を観察した。 彼らは大学の地下室にしつらえられた「監獄」に送られ、囚人役、看守役それぞれに対し、いかにもそれらしいコスチュームや行動原則が割り振られたのだが、実験開始直後から、当初の設定を超えて

  • 医学都市伝説: アーティストの自殺は公的利益

    2006年11月16日  アーティストの自殺は公的利益 [医学・科学関連] 11月14日のガーディアン記事より。 英国ブラッドフォード大学の経済学教授、サミュエル・キャメロン教授たちのグループは、1994年に自殺した、ロックグループ「ニルバーナ」のリードボーカル、カート・コベインのケースから、「経済学的観点からみたアーティストの自殺の経済的効用」を検討した。こちらが元論文抜粋(例によって有料の壁で元論文自体は読んでいない)。 彼の死以後、その偶像的効果によって、彼の音楽関連商品の売り上げは明らかに増え、彼のであったコートニー・ラブやそのバンドメンバーへの注目度も増加した。 カート・コベインは27歳で死んだが、一般的には若死にとされるその年齢も、ポップスターとしては高齢に属することから、彼がそのまま自殺せずに引退年齢まで活動していた場合の経済効用の総体は、明らかに自殺した場合より低いと推定

  • 医学都市伝説: ニセ神父・牧師はいい商売

    2006年11月08日  ニセ神父・牧師はいい商売 [ニュース] 11月2日のBBCニュースより。 ---------- マーク・ケリーは英国ランカシャーの出身。日に来てもう6年になるが、週末はニセ牧師として過ごす。彼はいう。「ボクは札幌に住んでいて、日語の勉強をしているんだけれど、やっぱお金は欲しいわけよ。英会話学校で教えるより、ニセ牧師をやる方がよっぽど実入りはいいからね」。 「日ではニセ牧師は結構なビジネスなんだよ。ボクはそれを扱う会社のTVコマーシャルに出ているんだ。札幌では5つのエージェンシーが20人のニセ聖職者を雇っているんだけれど、東京だったら数百人はいるんじゃないかな」、彼はそう付け加える。 外国人によるニセ聖職者は、日のいわゆる「洋式婚礼」に雇われ、それ風のパーフォマンスを行うことで雰囲気を盛り上げるが、それは正式な儀式ではない。「日では神道による婚姻儀式が

    kenjeen
    kenjeen 2006/11/11
    結婚式用のニセ聖職者という仕事
  • 医学都市伝説: 奈良・転送拒否問題について

    2006年10月28日  奈良・転送拒否問題について [医学・科学関連] 奈良県で起こった転送拒否事件について、医師が主催する多くのサイトで、侃々諤々の熱い論議が続いているようだ。その事件とは、奈良県の某中規模自治体病院産科で患者が分娩中に意識消失・けいれん発作を来たし、重度の子癇発作と考えた産科主治医が、18もの病院に転送依頼したが断られ、19軒目の大阪国立循環器病センターが受け入れたものの、 患者は脳出血を併発しており死亡、子供だけは助かった、という「事件」である。(参照したのはこちらのサイト。さらに詳しいことはこちらも参考に) 正直いって、私はこういう問題に言及するのは苦手で、上の事件記載の中で一番気になる点は「病院の数え方は『軒』でいいのか」という事だったりする。真面目な医師ブロガーたちが医療の危機について語りつづける中、大沢あかねの一発ギャグや、Youtubeのコント映像のことば

  • 医学都市伝説: 精神科看護における危機回避法

    2006年10月16日  精神科看護における危機回避法 [医学・科学関連] 二日間風邪で寝込んで、ちょっと楽になると枕元のノートPCをのぞく生活。どんなきっかけだったかは忘れたが、かなり面白い精神科看護学関連の論文を見つけたので紹介。 題して、「危機離脱技法―差し迫った身体的攻撃への対処」(PDF)。静岡県立大学短期大学部第一看護科助教授吉浜文洋氏他によって書かれたものである。論文は、精神科病棟における患者の暴力事件をいかに防ぎ、実際に攻撃を受けたときにどのように対処するかを具体的に述べたもので、通り一遍の善意だの真心などという建前に終わることなく、原則論と技術論が巧みに配置された好著となっている。 精神科看護の枠内で納めるには惜しいもので、家庭内暴力とか教育現場にも応用できるのではないだろうか。(左のイラストは落ち着かない患者さんに対して、3人の看護者が対処している場面。絵がなんとなく

  • 医学都市伝説: リエイゾン精神医学の虚妄(2)

    2006年10月03日  リエイゾン精神医学の虚妄(2) [医学・科学関連] 先日の夕方、やっとこさ午後の外来診療を終えようかという頃、外科系病棟の看護主任から電話がかかる。4ヶ月前から交通事故で入院している少女が最近精神的に不安定なので、見てくれないかというのだ。その少女は横断歩道を歩行中、車に引っかけられ、数百メートルを引きずられて、背部から臀部に、筋層に達する広範な皮膚欠損創を受けたのだった。 幸い、骨には異常が無いのだが、背中の大部分がズルむけ状態で、この4ヶ月間、上向きにもなれず、ずっと腹這いのまま創部処置を続けているが、なかなか皮膚が上がってこず、二度ほど行った皮膚移植も一部しか生着しないとのことだった。 特に創部の消毒処置の際、激しい痛みを訴え、最近では処置の日になると朝から泣いていたり、独り言をいっていたりする。母親に「あの窓から飛び降りたら死ねるだろうか」などと尋ねたりす

  • 医学都市伝説: ジェンダーと感嘆符

    2006年09月25日  ジェンダーと感嘆符 [医学・科学関連] コンピューターコミュニケーション雑誌、最新号に掲載された論文"Gender and the Use of Exclamation Points in Computer-Mediated Communication: An Analysis of Exclamations Posted to Two Electronic Discussion Lists "より。(Link) 過去の研究によれば、女性は感嘆符を男性よりも高い頻度で使うことが指摘されている。このような研究では、感嘆符を"markers of excitability"「易興奮性の指標」だと特徴づけ、感情の不安定性と気まぐれの意味合いでつかっているが、感嘆符が易興奮性の明白な証拠になっているかどうかを充分確かめているとはいえない。 この研究では、図書館情報学専門家

  • 医学都市伝説: くら寿司おそるべし

    2006年09月19日  くら寿司おそるべし [日常] 連休はゲストを迎え、あちこち引きずり回されて、いささかグッタリである。洒落たレストラン巡りもいくらかやってみたのだが、そればかりだと身体と財布にこたえるので、買い物によったショッピングモールにあった、「無添くら寿司」なる回転寿司屋に入ってみた。 私は刺身というものがあまり好きでなく、いわゆる普通の寿司屋に自分から行くことはまずない。気難しそうな店主も、それに媚びるような客の態度もサービス業種で許されることとは思えぬし、なにより「時価」と書いてあるだけの、値段も判らぬものの注文を迫られるのは、貨幣経済原則を踏みにじる暴挙だと思うのだ。 こと医療分野になると、医者は横暴だ、患者に説明もせずに自分のやり方を押しつけるなんて騒ぐ人がいるのに、寿司屋では店主に「シロートはだまってな」なんて言われても怒りもせずに「職人だねぇ」とへつらった笑みをみ

  • 医学都市伝説: 「世界初」ペニス移植の顛末

    2006年09月23日  「世界初」ペニス移植の顛末 [医学・科学関連] 掲示板で、「世界初のペニス移植手術」について触れたブログ記事を教えて頂いた。中国・広東の外科医が世界初の陰茎移植手術に成功したものの、二週間後に「患者とその奥さんに深刻な心理的問題が現れたため」、移植された陰茎は切除されたというものである。21日にはかの「東京スポーツ」までこれを扱い、そちらでは「奥さんが『他人のモノじゃイヤ!』と拒絶反応?を起こした」というニュアンスで報じられていたという。 まあ、移植に成功したのに、「心理的問題」で切除したといわれれば、そういう風な想像をするのも当然なのだが、それ以前に「ペニス移植なんて、現実的に可能なのか?」という疑問がわいてくるのも事実。そんなわけで、元論文を検索してみたら、そう苦労もなく見つかったので流し読み。(HTML版、PDF版) それによれば、書かれてある手術の経過は、

  • 医学都市伝説: 警察と医療過誤

    2006年09月09日  警察と医療過誤 [社会・歴史] 当サイトは、あんまり具体的な社会問題には関わらないというスタンスなのだが、(何より、その能力に欠けるのと、妙な論議に巻き込まれたくないというのが主な理由)、この間、福島県での前置胎盤による死産事件での産科医逮捕問題をはじめとして、医療内容に関する警察の介入事例が意味なく増えていることについて、私なりの意見を述べておくべきであると思う次第。 私の意図は法律論的な論議ではなく、何故か誰も語らない「警察が医療過誤に過剰に関わる理由」を別の視点から示す事だけである。桶川ストーカー事件や秋田小児連続殺人事件に見られるように、出来るだけ面倒くさい事件に関わりたくない様子が見え見えの警察が、なぜ医療問題には介入したがるのか、真面目な議論ではあまり触れられず、かつ理解しにくい問題といえる。 私の意見は単純なものである。彼らは新しい「天下り先」を開発

  • 医学都市伝説: 福音派はポルノ浸け?

    2006年08月31日  福音派はポルノ浸け? [ウェブサイト] もし、癌のように拡がるポルノや誤った性的振舞いの汚染から守られた場所があるとするなら、それは教会であろう。しかし、最近の調査が明らかにしたのは、もはや誰も性的な誘惑の魔の手に抗うことが出来ないということだ。性的快楽の欲求に対して戦っている人々には、教会参列者、助祭司、スタッフや聖職者までもが含まれるのだ。 驚いたことに、教会に集う女性たちもまた、この問題の犠牲者である。キリスト教徒向け最大のポータルサイトであるChristiaNet.comは、訪問者に性的活動に関する11の質問を行った。この問題にとらわれている人、そうでない人を問わず、その調査結果は驚愕すべきものであった。結果はこう告げる-誘惑への防御はもはや存在しないと。(引用以上) そんな風にたいそうな書き方で始まるChristiaNet.comの一セクションなのだが、

  • 医学都市伝説: 赤衛軍事件勃発

    2006年08月21日  赤衛軍事件勃発 [今日は何の日] 1971年8月21日、陸上自衛隊朝霞駐屯地でパトロール中の自衛隊員が刺殺される。現場には「赤衛軍」と書かれた赤ヘルメットと、闘争宣言と題されたビラが残されていた。ビラによれば赤衛軍の目的は武器奪取であったが、奪われたものは隊員の腕章だけであった。 首謀者であった日大生Kはその年の11月に逮捕されるが、彼の供述によって、当時京大経済学部の竹信宏助手(ペンネーム:滝田修)が赤衛軍の頭目として指名手配され、竹氏はその後11年に及ぶ潜伏逃亡生活を送ることになる。他にも、朝日ジャーナルの記者であった川三郎も、Kの証拠隠滅に手を貸したとして逮捕され、退社を余儀なくされている。 この事件は勃発当時から謎に包まれていた。その駐屯地侵入・隊員刺殺という行動があまりにも突発的で、赤衛軍なる組織も全く知られていなかった。そのころの学生運動周辺でウ

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