人工内耳と脳の可塑性についての第二弾。今回は動物実験ではあるが、人工内耳を取り付けたら、実際脳が適応的に変化したことを報告した論文を2つほど。 動物の人工内耳、というとはじめ意外だったけど、少なくともネコとモルモット用の人工内耳は開発されていて基礎研究に利用されているようだ。今回は、その中で「ネコの脳の可塑性」というテーマを扱った論文を読んでみた。 問題意識は、人工内耳を取り付けることで、脳のどこで、どんな変化が観察されるか?ということ。 --- 聴覚情報の流れ まず予備知識として、聴覚情報の流れを簡単に。英語版wikipediaのAuditory systemも参考に。 有毛細胞→聴覚神経→蝸牛核→上オリーブ核(複合体)→下丘→視床(内側膝状体)→一次聴覚野→・・・ ただし、実際の解剖は、途中の神経核をスキップする線維があったり、逆方向の線維があったり、ここに書いていない神経核へ情報が「