保守系団体の日本会議が、新書「日本会議の研究」の出版を停止するよう求める文書を、刊行元の扶桑社(東京都)に送っていたことが10日、分かった。関係者によると、日本会議は本の内容が事実に反すると主張している。 日本会議などによると、文書は4月28日にファクスで送付。差出人は日本会議の椛島有三事務総長で、扶桑社の社長宛てだった。文書の内容について、扶桑社は「コメントできない」、日本会議は「詳細は扶桑社の回答を待ってから明らかにしたい」としている。 著者で著述家の菅野完さんは「私は文献や聞き取りで調べた事実を書いた」と話している。 「日本会議の研究」は、特定の宗教団体と日本会議の関係を探る内容で、安倍晋三政権による改憲に向けた動きを批判している。インターネット上での連載を基に4月下旬に出版した。発行部数は初版が8千部で、扶桑社は発売前に3千部の増刷を決定。各書店でベストセラーランキングの上位に入っ