国土交通省は29日に発表した2019年度予算の概算要求で、整備新幹線へのフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入に向けた技術開発費の計上を見送った。FGTにはこれまで約500億円の研究費が投じられてきたが、技術面の課題などがクリアできていないためだ。 国交省は今後、新幹線以外での実用化を目指す。ただ、巨額の国費投入に見合った成果を出すことは難しい状況だ。九州新幹線の整備方式を検討する与党検討委員会のメンバーからは「一定の責任は国にもある」との声も出ている。 FGTは、建設中の九州新幹線長崎(西九州)ルートのほか、北陸新幹線への導入が検討されてきた。列車を乗り換えなくても在来線と新幹線を行き来できるとして、高い期待を集めた。 しかし、FGTの開発は難航。14年には耐久走行試験で高速走行時に車軸が摩耗するトラブルが発覚した。 さらにコスト面でも苦戦した。17年にはFGTのコストが一般の