ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (14)

  • 日本は「今の」韓国をモデルにすべきでない

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 〔8月31日号掲載〕 日の官僚や産業界の人と話をしていると、彼らの一部に韓国を経済分野における成功モデルにしようとする意識が働いていることに気付く。いわゆる「ルック・コリア」と呼ばれる風潮だ。 サムスンや現代、LGといった企業の躍進や、世界各国との自由貿易協定(FTA)締結、教育改革などによるグローバル化の推進が、日にそうした意識をもたらしているのかもしれない。また平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック誘致の成功や、欧米でもブームを起こしつつあるK─POPなどによって、停滞気味の日の目に韓国が若くて元気で健康な国に映っているのだろう。 だが現在の韓国は、当に日のモデルになり得るのか。隣の芝は青く見えるもの。僕が思うに、少し韓国を買いかぶり過ぎだろう。 実際のところ「超圧縮成長」を遂げてきた韓国経済は、その裏で国内に大きなひずみを生み出した。超大

    日本は「今の」韓国をモデルにすべきでない
    kennak
    kennak 2011/09/12
    実際のところ「超圧縮成長」を遂げてきた韓国経済は、その裏で国内に大きなひずみを生み出した。超大企業中心主義、超輸出依存体制、土建と土地バブルに象徴される極めて不健全な経済構造......。大企業躍進の陰では、
  • 「デフレ先進国」日本に似てきたアメリカ経済

    先週から始まった世界同時株安に対して、FOMC(米連邦公開市場委員会)は9日、実質的なゼロ金利政策を2013年なかばまで続けるという声明を出した。これは現在0~0.25%に誘導している政策金利を無条件に2年間続けるという異例の政策で、3人の理事が反対するというFRBのバーナンキ議長にとって初の事態になった。 金融調節を任務とするFRB(連邦準備制度理事会)が、向こう2年間は金利を上げないと宣言するのは奇妙だが、これには先輩がいる。日銀行は1999年から始まったゼロ金利政策の中で「物価上昇率が安定的にゼロ以上になるまでゼロ金利を維持する」という方針をとった。これが時間軸政策といわれるものだ。日銀の白川総裁も10日の国会で「FRBの政策は日銀と非常に近いという印象をもっている」と語った。 中央銀行が「金利を上げない」と約束することは通常はありえないが、アメリカの政策金利は2008年12月に実

    「デフレ先進国」日本に似てきたアメリカ経済
    kennak
    kennak 2011/08/20
  • こんなに政治家がダメでも日本が機能している理由 | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月27日号掲載〕 アメリカの作家ポール・セローはかつて、東京があまりに効率的なのに感服して「これは都会じゃない、機械だ」と評したことがある。 確かに東京は最高に効率的な都会の1つだ。しかも人間に頼らず、自力で機能しているらしい。13時24分に到着予定の電車は13時24分ぴったりに到着するし、荷物は指定した時間にきちんと届く。忘れ物をしても、たいていは戻ってくる。この街に「想定外」はない。 東日大震災が発生した3月11日も、東京で印象的だったのは混乱ではなく秩序だった。あれがパリなら略奪が起きていただろう。アメリカ人も、大型ハリケーン「カトリーナ」がルイジアナ州を襲ったときは大混乱に陥った。 だが日は違った。外資系の銀行に勤める友人は、3月11日の午後4時に金融庁に電話して、いつもどおりに営業終了後の報告が必要かと聞いたそうだ。すると金融庁の職員

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    kennak
    kennak 2011/08/07
    そう考えると、疑問が生じる。政治が都市運営のアートならば、なぜパリの街は汚いのに東京の街はこんなに美しいのか。パリでは日常的に略奪などの犯罪が起こっているのに、なぜ東京では暴動が起きないのか。アフリカ
  • 日立と三菱重工「幻の合併騒動」でわかった経営者とメディアの劣化 | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    けさの日経済新聞を読んだ読者は、驚いたことだろう。1面トップの大見出しで「日立・三菱重工 統合へ」と題した記事は、こう報じている。 日立製作所と三菱重工業は経営統合へ向け協議を始めることで基合意した。2013年春に新会社を設立、両社の主力である社会インフラ事業などを統合する。原子力などの発電プラントから鉄道システム、産業機械、IT(情報技術)までを網羅する世界最大規模の総合インフラ企業が誕生する。両社の売上高は単純合計で12兆円を上回る。 記事は「4日午後に発表する」と書いており、これが事実とすれば大スクープである。日立の中西宏明社長は、早朝に自宅でのぶら下がり取材に「きょう夕方発表します」とコメントした。東京証券取引所はこれを受けて両社の取引を一時停止し、事実関係を広報に確認した。 ところが日立の広報は「そのような事実はありません」とコメントし、三菱の広報は「当社が決定した事実もあり

    日立と三菱重工「幻の合併騒動」でわかった経営者とメディアの劣化 | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    kennak
    kennak 2011/08/07
    これは証券取引法の情報開示ルールに反する疑いがある。こういう「重要事実」については、インサイダー取引を防ぐために情報が厳重に管理され、「風説の流布」は証券取引法で禁じられている。中西社長のコメントは、
  • 東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 最近はタクシーに乗るたび、運転手とこんなやりとりをする。「お国は?」「フランスです!」「フランス? 3月11日からの原発危機でフランス人は日からいなくなったと思ってましたよ」 原発事故が発生してからフランス人は一斉に日を脱出したと思われている。私もその1人だ。 私は取材で3月12日に福島と仙台に入り、19日まで滞在。19日に東京に戻り、フランス政府が在日フランス人の一時帰国用に用意したチャーター機に乗った。そして3月30日にまた東京に戻ってきた。今後もここにいる、という決意とともに。 私が日を離れたのは、フランスにいる家族のためだ。彼らが福島の原発事故のニュースを見て大騒ぎしたことが、在日フランス人の出国パニックの引き金になった。パリに向かう機内で話をした人のほとんどが「親を安心させるため」に帰ると言っていた。 在日フランス大使館は緊急に24時間

    東京脱出組の私が帰り着いた「居場所」
    kennak
    kennak 2011/06/05
    たとえ大地震やチェルノブイリ級の原発事故や津波が起きる(しかも重なる)危険があっても、東京は私にとって世界一住みやすい街だ。私の知る限り、6歳の子供が独りで地下鉄に乗れる都市はほかにない。ある意味、東
  • 震災が教えてくれた「らしくない」東京の魅力

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東日大震災から2週間ほどたったある日、私はと吉祥寺の小さなレストランに出掛けた。客は私たち2人だけ。どこに座ってもよかったけれど、私は窓から離れたテーブルを選んだ。楽しく事をしている姿を通行人に見られたくないと、何となく思ったからだ。 レストランはいつもより照明を落としていて、少し寒かった。こんなときに外していることと、客が全然いないことへの罪悪感から、私は大して空腹でもないのに料理を注文し過ぎてしまった。 あの地震以来、東京の日常は変わった。大学に行くために中央線に乗ったら、何と座ることができた!「遅刻気味なのかな。それとも避難命令でも出ているのかな」と、不安になったほどだ。ところが電車だけでなく、都内はどこもガラガラ。みんな放射線量測定器を持って家に閉じ籠もっているのだろうか。 すいている電車、商品のないコンビニの棚、場所取りのされていな

    震災が教えてくれた「らしくない」東京の魅力
    kennak
    kennak 2011/05/25
    すいている電車、商品のないコンビニの棚、場所取りのされていない花見の名所──そんな東京らしからぬ光景に囲まれ、最初は居心地が悪かった。しかし時間がたつにつれ、禅問答のような思索が浮かんできた。便利でな
  • 「非リア充」のアルカーイダからアラブ革命の「リア充」へ

    どうも日人は、「反米武装勢力とは、絶大な統率力を持ったボスキャラが支配する邪悪な組織」、と考えがちらしい。ビン・ラーディンが米軍に殺害されて、一週間。「これでテロ集団アルカーイダも終わりだ」と、勧善懲悪映画のラストを見るようなはしゃぎ方が、日のメディアに見られる。 米政府がはしゃぐのは、よくわかる。オバマはブッシュが始めた泥沼の「対テロ戦争」に「勝った」と宣伝できるし、9-11後、米国が抱えてきたトラウマからの卒業というイメージを、国民に提供できる。なによりも9-11後10年にあたる今年の中間選挙には、使える材料だ。 しかし、アルカーイダと呼ばれるネットワークは、ビン・ラーディンが消えたからといって、芋づる式に組織全体が崩壊するような類のものではない。いやむしろ、ビン・ラーディンが象徴していたアラブの若者のトレンドは、すでに一昔前のものとなっている。 アラブ社会のネット事情と若者の過激

    「非リア充」のアルカーイダからアラブ革命の「リア充」へ
    kennak
    kennak 2011/05/17
    アルカーイダやビン・ラーディンに惹きつけられる若者たちは、最近のネット用語でいえば「非リア充」を目指してきた。自分の生きる現実世界には存在しない、バーチャルな理想のイスラーム共同体を、自国から遠く離れ
  • 被災者を人質にとって東電株主を救済する「賠償枠組」

    政府は福島第一原発事故による東京電力の損害賠償支払いについての枠組を決め、13日にも閣議決定する予定だ。これは被災者への補償を急ぎ、東電の今年3月期決算の発表に間に合わせるためというのが建て前だが、被災者の仮払いはすでに始まっており、東電の決算は延期すればよい。このように拙速に最大10兆円ともいわれる賠償の枠組を決めることには疑問がある。 枠組の前提として、原子力損害賠償法に定める1200億円以上の損害を国が負担するかどうかが問題だが、政府は「東電の賠償に上限なし」という条件を出し、東電はそれを受諾した。これは東電の賠償が青天井になっても、国が面倒を見る救済案との取引である。資産売却や人件費圧縮など数百億円の「リストラ」と引き替えに数兆円の公的資金で救済してもらえるなら、安いものだ。 この救済案は当コラムで私も批判したが、経済学者も法律家も一致して反対してきた。「政府による9000億円の救

    被災者を人質にとって東電株主を救済する「賠償枠組」
    kennak
    kennak 2011/05/15
    政府にとっても財政支出はいやなので、悪役を電力会社に押しつけ、被災者のためという理由で料金に転嫁させるのが賢明である。要するに、関係者が自分の立場を有利にするために被災者を人質にとって資本主義のルール
  • 「正しく恐れる」ことのむずかしさ | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    東京電力福島第一原子力発電所の事故は、依然状況が深刻であるにもかかわらず、テレビでの報道時間が減少しつつあります。NHKニュースの視聴率も事故直後より低くなっています。まあ、平常時の数字に戻ったということなのでしょう。視聴者の側にも疲れが見えます。 こういう事故が起きると、人は、自分の考えを補強する情報ばかり欲しがる傾向になるのだなと思います。放射能や放射線が恐い人は、今回の事故がいかに危険かという情報ばかりを集めて読みたくなるのでしょう。放射線が人体にどれだけ危険か、その情報を見て得心すると、テレビで「直ちに健康に影響が出るレベルではない」と伝えられても安心できません。むしろ、「政府やマスコミは危険なデータを隠しているのではないか」と疑心暗鬼に駆られてしまいます。不安の悪循環です。 一方、楽観視している人は、私たちが自然界で日常から放射線を被曝していることなど安心情報を求めます。成田~ニ

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    kennak 2011/05/04
  • 東京の人と街を彩る完璧な服装という「鎧」

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東京ではよく完璧な女性に出会う。電車の中や道で擦れ違いざまに、うっとりするほど完璧な女性を見掛ける。といっても、この人と生涯を共にしたいと思うわけじゃない。一分の隙もないほど完璧な服装の女性という意味だ。東京にはそんな女性があふれている。 驚くほど完璧なファッションの女性を一日に何度も見掛ける。細部まで計画し配置し磨き上げたかのようだ。ハンドバッグももイヤリングも服もばっちり決まっている。携帯電話の色までぴったりだ! 東京のは世界一ぴかぴか。東京では何でも「完璧であること」が重要だ。 完璧に決めた女性を見るたび、どのくらい時間がかかるんだろうと思う。冬は帽子やスカーフやコートも加わるから、さらに大変だ。なのに360度どこから見ても完璧。後ろはどうやってチェックするのか。きっと自宅に複雑な仕組みの鏡があるに違いない。たとえ地震で鏡が割れても何のその

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    kennak 2011/04/18
  • 懐かしく愛おしい東京のギュウギュウ生活

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東京で暮らして12年。大学の研究休暇が取れて、昨年の春から先日までアメリカ各地の図書館を訪れ、調べものをする日々を過ごしていた。朝から晩まで図書館で過ごした後、生まれ育った故郷の道を歩くのは楽しかった。だが歩きながら、いつも不思議に思っていた。みんな一体どこに行ったのか? アメリカでは、まるで人々が注意深く「割り当てられている」みたいだ。車1台に1人、テーブル1つに1人、1区画に1人という具合に。 東京のラッシュが懐かしかった。毎日飲んでいた「人間カフェイン」を取り上げられたような気分だ。東京に比べると、アメリカはニューヨークやシカゴのように人口密度の高い都市でさえ、空き地や空きビル、やたらと幅の広い歩道など人のいないスペースが多い。アメリカ人はその広大な国土の中で、迷子になってしまったのだろうか。 どこに行っても人がいないことが不安だった。ある朝ブ

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    kennak 2011/01/25
  • 「失われた30年」に向かう日本

    1990年代の日経済は「失われた10年」と呼ばれたが、その状況は2000年代になっても変わらず、「失われた20年」といわれるようになった。そして今年は「失われた21年目」だったが、その状況は変わらないまま失われた30年に向かっている。2000~2010年の実質成長率は平均約1%で、G7諸国で最低。政府債務はGDPの約2倍で、同じく最悪だ。今年を振り返って、日が長期低迷を脱却できない理由を考えてみよう。 昨年の総選挙で民主党が政権を取ったとき、「小泉政権の構造改革で日経済がだめになった」と自民党を攻撃したが、民主党政権でさらに経済は悪くなった。失われた20年のうち、2001~6年の小泉政権の時期は経済が持ち直し、いざなぎ景気を超える長期の景気回復が実現した。それが失速したのは、その後の政権で改革が後退し、バラマキ財政に戻ったからだ。 民主党やみんなの党の一部議員には、「日銀の金融緩和が

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    kennak 2010/12/23
  • スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー パリにモンパルナス・タワーが完成したのは1972年。フランスで一番高い超高層ビルとして、街の中心部に誕生した。この建物は当時、現代化への道をひた走る「新生フランス」をリードする「新生パリ」のエスプリのシンボルして期待された。それは「ほかの先進工業諸国に遅れを取るものか」という意思表示だった。 だがその外観はといえば、六木ヒルズよりはややマシという程度の醜悪さ。時とともに、モンパルナス・タワーは大きな過ちだったことが明らかになってきた。パリの景観を壊しているのだ。 パリは歴史的に「平ら」な都市だ。太陽の光はまっすぐ地面に届き、木々はすくすくと育つ。たちの悪い旅行会社にそそのかされでもしない限り、モンパルナス・タワーを訪れる日人観光客などいないだろう。パリにはこんなジョークもあるくらいだ。「パリで最も美しい景色は、モンパルナス・タワーからの眺め。なぜか

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    kennak
    kennak 2010/12/21
  • 「デフレ先進国」日本が欧米に教えられること

    菅首相の消費税発言がぶれて、民主党は参院選で大敗した。増税をいかにも付け焼き刃で持ち出した首相のやり方はお粗末だったが、IMF(国際通貨基金)も提言したように増税が避けられないことは事実である。首相が財政再建に目ざめたのは、G20でギリシャの状況を知ったことがきっかけだったという。日がギリシャのようになるという懸念は大げさだが、G20ではデフレと財政再建の問題が大論争になった。 その論争をみると、日の10年前とよく似ている。最大の争点は、巨額の財政赤字を抱えて財政再建を優先しようとする欧州諸国と、経済の回復を優先して財政支出を続けようとするアメリカの対立だった。結果的には欧州の意見が通り、2013年までに財政赤字を少なくとも半減させるという首脳宣言を出したが、日はその例外になった。 10年前にも、財政出動によって景気を回復させようとした小渕内閣以降の政策が失敗したあと、緊縮財政を掲げ

    「デフレ先進国」日本が欧米に教えられること
    kennak
    kennak 2010/07/16
    このときも「不況で緊縮財政にするのは非常識だ」という批判があったが、構造改革によって成長率は上がり、失業率は下がった。その結果、2006年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字は22兆円減った。
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