終戦の過程を左右した各地の地上戦では、本土防衛のために行われた日本軍の「捨て石」作戦と、民間人の根こそぎ動員・集団自決という共通のパターンが繰り返されたことを前編で指摘した。 日ソ戦では、ソ連軍による略奪・暴行や強制連行も加わった。後編では、最新の研究である麻田雅文『日ソ戦争』(中公新書)に依拠しながら、現在進行形で行われるロシアのウクライナ侵略と重なる日ソ戦の実相にも触れる。 また台湾有事をめぐる議論に象徴されるように、本土防衛のために辺境を戦場とするという政策決定者の発想が、戦後もまったく変わっていないという現実も論じる。これの裏返しとして、台湾有事に「巻き込まれない」ための議論にも問題があることを第1次・第2次世界大戦のベルギーの歴史を参照しながら同時に指摘する。 停戦に応じなかったソ連 ソ連は東京大空襲の翌月、アメリカ軍の沖縄島上陸直後の1945年4月5日に日本に対して翌年に有効期
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