驚くべきことに、小林よしのり言説から推察するに、小林よしのりは『沖縄ノート』を読んでいないことがはっきりしている。これでは、おそらく、小林よしのりは、『ある神話の背景』も読んでいないのではないか、と思わせる。小林よしのりが、大江のアイヒマンに関する記述を読んでいないだけでなく、アイヒマンについてハンナ・アレントが書いていることも、何も知らないということが、はっきりしている。小林よしのりは、次のようにいっているからだ。 ユダヤ人虐殺の中心人物とされたアドルフ・アイヒマンにまで赤松隊長を喩えている。「イスラエル法廷におけるアイヒマンのように、沖縄法廷で裁かれてしかるべきであった。しかも「この法廷をながれるものはイスラエル法廷のそれよりもっとグロテスクだ」と。゛ホロコーストよりもっとグロテスクなことを赤松隊長はやっている゛と断じたわけだ。極限の中傷であり、これで名誉毀損でなければ、もはや何でも書