カシオ計算機の首都圏営業部(東京・千代田)に所属する畠弘紀さん(41)は首都圏の百貨店に腕時計の取り扱いを働きかける。相手の課題をつかんで改善策を先回りして提案する。そうしてつかんだ好機をものにしたことで評判が伝わり、2008年に今の担当になってから取り扱う店舗の数を5倍にした。 カシオの時計を扱う首都圏の百貨店は現在、31店。畠さんが首都圏の百貨店担当になったときは、わずか6店だった。起爆剤になった案件がある。 2014年のクリスマス商戦。たくさんの人が出入りする「大丸東京店」(東京・千代田)の1階にカシオの腕時計「オシアナス」が並んだ。3週間にわたって特設ブースを置き、全地球測位システム(GPS)の電波を受信する機能を備えた新製品などを売り込んだ。 「やるんだったら全力でやる」。畠さんは大丸東京店に企画を提案する前、決心した。高級百貨店は何よりブランドを重視する。「イメージが下が
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