ギリシアのパパンドレウ首相が国民投票を行なうと発表(その後撤回して新政権樹立)したことで、ヨーロッパが揺れています。 すでにいい尽くされたことですが、この混乱は、政府(財政政策)をばらばらにしたままユーロという通貨だけを共通にしたという“設計不良”によるものですから、対症療法では解決できません。この欠陥は1999年のユーロ発足のときから指摘されていましたが、ヨーロッパの政治家は耳を貸そうとはしませんでした。その構造的な歪みが、世界金融危機によって現実のものとなったのです。 もちろんギリシアの経済は、日本でいえば神奈川県ほどの規模しかありませんから、たとえばドイツがお金を出してギリシアの財政赤字を清算すれば“危機”はたちまち消えてしまいます。これは経済的にはもっとも被害の少ない合理的な解決法でしょうが、ドイツの有権者を納得させることができないので、政治的には実現不可能です。 そこでEUは、大
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