「女性初の防衛大臣、都知事、さらには総理の座にも手をかけようとする女性の誕生を今、同時代を生きる者として目にしている。それなのに、気持ちは重く塞ぐばかりだ。彼女の快進撃を女性の解放として、女性が輝く権利を手にしたとして、これまでの女性たちの苦難の道の末に咲かせた花であるとして、受けとり、喜ぶことが、できない。女性たちには、より高い教育、より自由な環境が与えられたはずであるのに、その歩みはどこへと向かっているのだろう。これは社会を主導してきた男の罪なのか。それとも女の罪なのか。戦後女性の解放の、これが答えなのかと考えさせられ、答えが出せないでいる。」 石井氏は『女帝』の執筆にあたり、小池氏の著書や都議会での議事録なども読み込み、フェミニズムの観点から、女性学研究者の田嶋陽子氏にも話を聞いたという。都知事選に関する毎日新聞のインタビューでもそのことに触れている。 「そこで浮かび上がってきたのは