ただこうした努力すら、「仕事につながる可能性がある」だけで、「必ずつながる」と言えないのがまた厳しいところです。どれだけ多くの刀を丁寧に研いでいようと、その刀を振るう機会があるとは誰にも保証できません。要するに“運”次第なのです。身も蓋もありませんが本当です。 そして、保証されていないからといって何もしないでいれば、いざ刀を振るう機会に遭遇したときナマクラ刀で苦戦を強いられることになる。待つことしかできない。ひたすら待ち続けても無駄かもしれない。やれることといえば密かに刀を研ぐことのみ。 しかしその後何かが起きたとしても、それまでの「待ち」のつらさや鍛錬の苦労がすべてねぎらわれるようなものだとは限らない……。 これが、人によっては死ぬまで続くのが声優という生き方です。自分で仕事を作れないというのは、かくも寄る辺なき状況なのです。
![大塚明夫「声優の大多数が仕事にあぶれる理由」(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bc728e1ac9e86d8eeaba7da406479e60cefb14e8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Flpt.c.yimg.jp%2Famd%2F20191230-00321702-toyo-000-view.jpg)