第6回 he/she (彼/彼女) 前回も書いたことですが、アメリカではこの数年間でトランスジェンダーの人々の発言権が急激に増しています。ほんの少しでもトランスジェンダーの人々の気分を害するような言葉遣いをすると、「トランスジェンダー差別」とみなされ、公の機関や大学、小学校も含めた公立学校などでは厳しい処罰を受けることも少なくありません。 ニューヨーク市では、2015年に「トランスジェンダー差別撤廃法」が制定され、トランスジェンダーの人々が希望する呼び方や “代名詞” を使うことを繰り返し拒絶した人や、故意に使用を拒否した人に対し、最高25万ドルの罰金が課せられるようになりました。 インディアナ州の高校では、今年5月にトランスジェンダーの学生が希望する名前と “代名詞” を使わなかった教師が、周囲のプレッシャーにより退職を余儀なくされました。また、ミネソタ大学では、「トランスジェンダーの学