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  • 「SIMI LABへの注目が薄れて自信がなくなった」ラッパーOMSBの“孤独”とヒップホップ的“祈り”

    (写真/西村満、以下同) “普通”とは何か? “大衆”とは何か? そんな一筋縄ではいかない普遍的な問いにさえ詩的に、軽妙に、彩り鮮やかなサウンドとともに向き合おうとする、素晴らしい国内のヒップホップ作品がある。ラッパー/ビートメイカー、OMSBの7年半ぶりのサード・アルバム『ALONE』だ。 OMSBは最初、約10年前に神奈川県相模原市を拠点とするSIMI LABというグループの中心人物として脚光を浴びた。そして、ソロ・アルバムも2枚発表、精力的に活動を展開したものの、その後の歩みは決して順風満帆ではなかった。前後編にわたるこのインタビューでは、そうした深い苦悩の経験とそれを乗り越えようとした魂の痕跡がいかに新作に刻まれたかが語られる。 『ALONE』で描かれるのはOMSBの個人の物語だが、働き、年齢を重ね、人と出会ったり別れたり、愛したり愛されたり、もしくは結婚したりしなかったりする中で

    「SIMI LABへの注目が薄れて自信がなくなった」ラッパーOMSBの“孤独”とヒップホップ的“祈り”
    kiku72
    kiku72 2022/08/27
  • 「SIMI LABで『常識って何?』とか言ったけど……」“大衆”になったラッパーOMSBの苦悩と成長

    (写真/西村満、以下同) “普通”とは何か? “大衆”とは何か? そんな一筋縄ではいかない普遍的な問いにさえ詩的に、軽妙に、彩り鮮やかなサウンドとともに向き合おうとする、素晴らしい国内のヒップホップ作品がある。ラッパー/ビートメイカー、OMSBの7年半ぶりのサード・アルバム『ALONE』だ。 OMSBは最初、約10年前に神奈川県相模原市を拠点とするSIMI LABというグループの中心人物として脚光を浴びた。そして、ソロ・アルバムも2枚発表、精力的に活動を展開したものの、その後の歩みは決して順風満帆ではなかった。このインタビューでは、そうした深い苦悩の経験とそれを乗り越えようとした魂の痕跡がいかに新作に刻まれたかが語られる。 『ALONE』で描かれるのはOMSBの個人の物語だが、働き、年齢を重ね、人と出会ったり別れたり、愛したり愛されたり、もしくは結婚したりしなかったりする中で多くの人々が経

    「SIMI LABで『常識って何?』とか言ったけど……」“大衆”になったラッパーOMSBの苦悩と成長
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    kiku72 2022/08/27
  • 【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】失われた治癒と麻痺を求めて薬を食った女たち|サイゾーpremium

    ――覚醒剤、コカイン、大麻、向精神薬……クスリに溺れる女たちを嗤うのはたやすい。だが、彼女らの声に耳を澄ませば、セックスやジェンダーをめぐる社会の歪みが見えてくる。これは、文筆家・五所純子による“女とドラッグ”のルポであり、まったく新しい女性論である。 ↑画像をクリックすると拡大します。 ゴーゴーダンサーの君島かれんは、2018年2月にコカイン使用の容疑で逮捕された後、連載の初回に登場した。(写真/草野庸子) ひとりの女優が逮捕された。ニュースもワイドショーもSNSも噂話も彼女一色になった。警察に踏み込まれた彼女は観念して薬物のありかを指し、取調べで10年以上の薬物使用歴を自供したそうだ。尿検査は陰性、押収物はMDMAの粉末が入ったカプセル2個とLSDを染みこませた紙片。稀代の大捕物と騒がれるわりには、子どもが隠し持ったキャンディのようにささやかで、釣り合いがとれない。薬物量や量刑よりも

    【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】失われた治癒と麻痺を求めて薬を食った女たち|サイゾーpremium
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    kiku72 2020/02/05
  • 【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】薬物売買にさよならしたゴミ収集員・真弓の物語[後編]|サイゾーpremium

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    kiku72 2019/01/05
  • 【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】薬物売買にさよならしたゴミ収集員・真弓の物語[前編]|サイゾーpremium

    ――覚醒剤、コカイン、大麻、向精神薬……クスリに溺れる女たちを嗤うのはたやすい。だが、彼女らの声に耳を澄ませば、セックスやジェンダーをめぐる社会の歪みが見えてくる。これは、文筆家・五所純子による“女とドラッグ”のルポであり、まったく新しい女性論である。 ↑画像をクリックすると拡大します。(写真/草野庸子) 女子はみな、一対一だと話せる奴なのに、集団になると圧力抑制プールみたいに息苦しい。それに比べたら、男子の露悪的なグラウンドのほうが気が鎮まる。そんな実感に加えて、真弓にはバイセクシャルだという自認があった。 「小学校に入る前、家族でアメリカに行ったとき、屋でエロを見ました。裸で絡み合ってる男女のどちらにも私は興奮したんです」 真弓が10代を過ごしたのはコギャル・ブームの全盛期。社会が制服姿の女子中高生を異常なまでに取り沙汰し、そこに活路を見いだした女子も多い。熱狂からはぐれた真弓が向

    【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】薬物売買にさよならしたゴミ収集員・真弓の物語[前編]|サイゾーpremium
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    kiku72 2018/11/28
    “2018.11.28”
  • 【五所純子/ドラッグ・フェミニズム】麻薬のドレスを脱ぎ捨てるダンサー・君島かれんの野良知性|サイゾーpremium

    ――覚醒剤、コカイン、大麻、向精神薬……クスリに溺れる女たちを嗤うのはたやすい。だが、彼女らの声に耳を澄ませば、セックスやジェンダーをめぐる社会の歪みが見えてくる。これは、文筆家・五所純子による“女とドラッグ”のルポであり、まったく新しい女性論である。 ↑画像をクリックすると拡大します。 2018年2月、コカイン使用の疑いで逮捕されたゴーゴーダンサーの君島かれん。(写真/草野庸子) 「あんま覚えてないんですよね」 まただ。かれんも言う、リナも真弓も言った。初めてクスリをやったのはいつ? 捕まったときの状況は? どう殴られた? あいつと出会ったきっかけは? 過去の重要な局面を問うと、彼女たちは“覚えていない”と答える。はぐらかしているのではない。実に記憶が曖昧なのだ。自分の身に起きていることに注意深くブックマークをつけながら今を体験している人なんていない。それは押し入り強盗でなく、忍びやかに

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    kiku72 2018/11/01
  • 【磯部涼/川崎】双子の不良が歌う川崎の痛みと未来

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 2016年末、クラブチッタでワンマン・ライヴを行ったBAD HOP。 少年は必死に手を伸ばした。スマートフォンのスクリーンの中では、男がマイクを握って、ステージから満員のフロアに語りかけている。少年にとって彼は憧れであり、救いを与えてくれる存在だった。しかし、少年は最前列にいるにもかかわらず、耳もとで発せられる少女たちの叫び声のせいで話の内容を聞き取ることができない。せめてシャッターを押そうとするものの、もみくちゃになってピントが合わない。 そのとき、突然、少年の手からスマートフォンが奪われた。はっとして顔を上げると、壇上から伸ばされた刺青だらけ

    【磯部涼/川崎】双子の不良が歌う川崎の痛みと未来
    kiku72
    kiku72 2017/03/31
    “Y「オレら、初対面のときは、明らかな年下にも敬語を使うんです。それは礼儀正しい人間でいたいっていうのもあるんですけど、なによりも最低なことをイメージしてるから」”
  • 【磯部涼/川崎】困窮した子を救う多国籍地区の避難所

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 〈ふれあい館〉の職員・鈴木健さんは、音楽祭「桜フェス」の主催者でもある。 サンタクロースは誰のところにもやってくるわけではない。家々で歓声が上がるクリスマスの朝、ある種の子どもたちは疎外感を味わうことになる。例えば、戦前、川崎臨海部の湿地帯に朝鮮人労働者が建てたバラック群が基になったため、今でもまるで迷路のように入り組んだ池上町。その路地を遊び場として育った、川崎を代表するラップ・グループ=BAD HOPのメンバー、BARKは、幼少期を以下のように振り返る。「家は貧乏でした。クリスマス・プレゼントとかもらったことないですもん。親に『サンタなんて

    【磯部涼/川崎】困窮した子を救う多国籍地区の避難所
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    kiku72 2017/01/30
  • 【磯部涼/川崎】競輪狂いが叫ぶドヤ街の歌

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎競輪の場内で紫煙をくゆらす、フォーク・シンガーの友川カズキ。 そこは、ネズミ色の世界だった。川崎駅の東口を出て、通称・市役所通りを1キロほど行くと川崎競輪場にたどり着く。エントランスは平日の昼間だというのにごった返している上、誰もが一様にくすんだ服を着ており、見分けがつかない。「こっちこっち!」。そのとき、よく通る声で呼び止められた。振り向くと、ネズミの群れの中に野犬のような鋭い目つきの男が立っている。 「ここにはよく来るのかって? くだらないこと聞かないでよ」。異形のフォーク・シンガーとして、そして、ギャンブラーとして知られる友川カズキは、

    【磯部涼/川崎】競輪狂いが叫ぶドヤ街の歌
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    kiku72 2016/12/30
    競輪場のオヤジの写真シブい。カジノ合法化で儲かるのは胴元だけだ
  • 【磯部涼/川崎】負の連鎖でもがく女たちの川崎

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎区の仲見世通にあるバーで踊る、GO-GOダンサーたち。 100年前の川崎の夜も、こんなふうに欲望が渦巻いていたのだろうか。ビルの2階にあるガールズ・バーで、窓の外の喧噪を眺めながら思った。 川崎駅東口に出ると、正面に“仲見世通”というアーチが見えるだろう。それをくぐってしばらく進むと、通りはキャバクラだらけになる。また、東口から左手の方角には堀之内、右手の方角には南町というソープランドで有名なエリアが広がっており、いわゆるちょんの間も現存する。そういった風俗街としての川崎のルーツは、1623年に設置された東海道五十三次、2つ目の宿場・川崎宿の

    【磯部涼/川崎】負の連鎖でもがく女たちの川崎
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    kiku72 2016/12/01
  • 【磯部涼/川崎】ヒップホップが止めた川崎南北戦争

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 全身をタトゥーで埋め尽くしたラッパーのK-YO。 川崎は2つの顔を持っている。そして、それらの表情は変わりつつある。シンガーソングライターの小沢健二が自身の根底となっている空虚さを“川崎ノーザン・ソウル”と呼んだ、その背景としてのニュータウンの北部。ラッパーのA-THUGが、治安が悪く、だからこそラップ・ミュージックのメッカと化した、ニューヨークのサウス・ブロンクスやシカゴのサウスサイドに重ね合わせて“サウスサイド川崎”と呼ぶ、工場地帯の南部。一方、最近では、映画『シン・ゴジラ』において、南部・武蔵小杉のタワーマンションが建ち並ぶ多摩川沿いで戦い

    【磯部涼/川崎】ヒップホップが止めた川崎南北戦争
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    kiku72 2016/09/29
    韻踏合組合がラップしてるようなこと全然体験してない大阪在住人(おれ)がいるようにここに書いてないライフスタイルも川崎にはたくさんあるのだろうがこの連載は興味深い
  • 【磯部涼/川崎】スケボーが創り出すもうひとつの川崎

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 深夜、川崎駅近くの某所でヴィデオ撮影を行う大富たち。 最終電車が去ると、川崎駅周辺にはもうひとつの世界が立ち上がる。ついさっきまで帰宅者でごった返していた東口は静まり返り、地下道の入口は路上生活者たちのベッドルームと化す。隣接したショッピング・センターのショーウインドウの前ではダンサーたちが練習に励み、テラスへと続く階段では外国人市民が座り込んで缶ビールをあおる。彼らは、まるで、昼間の世界では使い道が決めつけられている場所を、夜の暗闇に紛れて思い思いにリノベートしているかのようだった。 しかし、その様子を疎ましく思っている人間もいるようで、弁当入

    【磯部涼/川崎】スケボーが創り出すもうひとつの川崎
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    kiku72 2016/08/02
  • エロ記事強制排除でメディア爆死! 広告で権力化するグーグル帝国

    ――グーグルが提供する広告サービスであるグーグルアドセンスがエロ規制を強行している。その姿勢は表現の自由を犯し、金と権力を使って自社のポリシーに準拠させていることにほかならない。巨大化することでタブー化するグーグルとエロの現状を断固糾弾する! グーグルが運営するアドネットワーク・グーグルアドセンス(上)。ネットメディアの運営には、欠かせないサービスだが……。 「『グーグル様』を怒らせてはいけない」とは、インターネット上で飛び交っている冗談。しかし、それを冗談とも笑っていられない世の中になりつつあるのかもしれない。少なく見積もっても年間2兆件といわれる検索数を誇るグーグルなしでは、ネットのあらゆる世界は成り立たなくなっている。グーグル様を怒らせたが最後、検索候補にもあがらなくなり結果PVも激減……と、もはやネットの世界では生きていくことはできないのだ。そして、そんな「グーグル様」の逆鱗に触れ

    エロ記事強制排除でメディア爆死! 広告で権力化するグーグル帝国
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    kiku72 2016/06/23
    “広告事業の柱となっている「グーグルアドセンス」からは、アダルト系の広告や媒体が過度に排除されている。”検索ではエロにたどり着けるけどサイトにエロ入れるとアドセンスをバンされるってこと?
  • 【磯部涼/川崎】不況の街のレイヴ・パーティ

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎区の工場地帯で、4月30日の夜から5月1日の昼にかけて開催された〈DK SOUND〉 夜が明けようとしていた。空の色が次第に黒から青へと変わり、闇に埋もれていた工場群のシルエットが、型抜きでもするかのように浮かび上がる。めくるめく世界をつくり出していたプロジェクション・マッピングの色味は薄れ、汚れた壁が露わになる。一方、没入して踊っていたダンサーたちは、現実に引き戻されるとともに、周囲にいるたくさんの仲間の存在に改めて気づき、熱気は否応なく高まっていく。そこにいる誰もが笑顔だった。酔い潰れて地べたに転がっている人でさえも。DJはフロアをさらに

    【磯部涼/川崎】不況の街のレイヴ・パーティ
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    kiku72 2016/06/01
    “アベノミクス効果?ないない。あれの効果、感じてる人なんているの?(笑)」”
  • 【磯部涼/川崎】路上の闇に消えた“高校生RAP選手”

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 激しいスパーリングを繰り広げる、川崎区浜町育ちの鈴木拓巳と中村辰吉。 川崎の闇は濃い。平日の夜、くたびれた帰宅客でごった返すターミナルと、気が大きくなった酔客が空騒ぎを繰り広げる繁華街をすり抜け、南下していくうち、ひと気がなくなり、街灯もまばらな、ふるびた住宅街へと入り込んだ。やがてたどり着いた、指定場所である中学校の門の先は当に真っ暗で、一瞬、足がすくむ。恐る恐る、構内を進んでいくと、がらんとした校庭の先にある建物に明かりがともっているのが見えるとともに、呻き声と、何かを打ちつけるような音が聞こえてくる。そして、開け放たれたドアから中の様子を

    【磯部涼/川崎】路上の闇に消えた“高校生RAP選手”
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    kiku72 2016/05/20
  • 【磯部涼/川崎】“流れ者”の街で交差する絶望と希望

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 16年2月、約1年前に川崎区の多摩川河川敷で中学1年生の上村遼太くんが殺害された事件で、殺人と傷害の罪に問われた少年の裁判員裁判が開かれた。 「ダメだ、外れた……」「おお、当たってる!」。2016年2月2日、午前9時15分。寒空の下に熱を帯びた声が響く。800人以上が凝視するのは、当選番号の書かれた看板。そして、その周りを無数のカメラが取り囲む。「ウチは全滅かぁ」「○○君が当たったって!」「さすが、持ってる男は違うねぇ」。談笑する報道関係者の横で、老人が茫然と看板を見つめる。手にした額縁の中では、可愛い顔をした少年が微笑んでいる。山下公園や横浜

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    kiku72 2016/03/30
  • 多文化都市・川崎の、路上の日常と闘いと祭り

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 昨年11月に川崎区で行われたヘイト・デモに抗議するカウンターの人々。 冬の柔らかい日差しが心地よい日曜の午後、川崎駅から1キロほど離れた静かな通りに、不穏な空気が漂い始めていた。初老の女性が自転車を止めてけげんな顔で振り返り、ラーメン屋の主人が何事かとのれんをくぐって外に出てくる。彼らの視線の先に目をやると、まるで雷雲が近づくかのように、大勢の集団がノイズを立ててこちらに向かってくるのが見えた。やがて、あたり一帯は混沌にのみ込まれる。 「川崎のみなさん! あなたたちの暮らしを、外国人の犯罪者が狙っています!」「差別はやめろ!」「そんな奴らは、この

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    kiku72 2016/02/22
  • 川崎の不良が生きる“地元”という監獄

    有数の工業都市・川崎に渦巻くセックス、ドラッグ、ラップ・ミュージック――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎をレペゼンするラップ・グループ、BAD HOPのAKDOWの体に彫られたタトゥー。 川崎は2つの顔を持っている。その名前を聞いたとき、多くの人はベッドタウンと重工業地帯という対照的なイメージを連想するだろう。あるいは、平穏だが退屈な郊外と、荒廃しているが刺激的な繁華街というイメージを。 そして、そういった2つの側面は、それぞれ、川崎市の”北部”と”南部”が担っているといえる。今、北部/南部と書いたが、実際には、同市は東京2区5市と横浜市に挟まれた、北西/南東方向に細長い形をしている。しかし、住民の中には北部と南部という区分を用いる者が多いのだ。例えば、68年に生まれ、多摩

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    kiku72 2016/01/21
  • ディストピア・川崎サウスサイド

    ――日有数の工業都市・川崎に渦巻くセックス、ドラッグ、ラップ・ミュージック――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 平和な光景だった。日曜の午後、川沿いの土手を、ベビーカーを押す若い夫婦や雑種犬を連れた老人、トレーニングウェアを着たジョガーが通り過ぎていく。下方にあるだだっ広い河川敷では、川べりに親子が座って釣りをしている。しかし、その平和な光景は、まるで陰惨な事件現場を覆い隠すブルーシートのように思えてならなかった。 2015年2月、中学1年生の少年が殺害され、遺体を遺棄された川崎区の多摩川河川敷。 2015年2月20日早朝、川崎区・京急大師線港町駅に程近い多摩川沿いの土手を散歩中の地元住民が、河川敷に転がる全裸の死体を発見した。被害者は13歳の少年Aで、体中にあざがあり、首をナイフ

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    kiku72 2015/12/22
  • BIGBANGから〈出禁〉を喰らった音楽評論家 丸屋九兵衛が語るK-POPとYGファミリーの

    ALIVE -MONSTER EDITION- 今、日人はK-POPをどう捉えているのか――。 竹島問題の激化以来、ここ日のマスメディアではK-POPへの反感や敵意が半ばデフォルトとなっているように見える。だが、そんな昨今にあってもなお、K-POPを高く評価する人々もいる。その最右翼(最左翼?)が、誌『サイゾー』にて連載「ファンキー・ホモ・サピエンス」を執筆する音楽評論家の丸屋九兵衛氏だ。BIGBANGや2NE1を擁するYGエンターテインメントを中心に、「K-POPこそが、R&B/ヒップホップの流れを汲むローカライズド・アーバン・ミュージックの最高傑作」と論じてきた。 丸屋氏はブラック・ミュージック専門サイト『bmr』を主宰する人物だけに、こうした姿勢は、「K-POPを真剣に評価しよう」とする「楽曲派」のファンたちからは歓迎されていた。そんな丸屋氏が……こともあろうに、当のYGから「

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    kiku72
    kiku72 2014/09/11