自己実現より“ホームベース”をつくれ、自分にぴったりの仕事なんてない…。首都大学東京の元就職支援委員会委員長が、理不尽な就活を強いるデタラメな社会を生き抜くための就活の原… 宮台教授の就活原論 [著]宮台真司 就活=就職活動は学生にとって、いまや大学入試以上の難事業かもしれない。社会学者で首都大学東京教授の著者は以前、大学の就職支援委員会委員長としてこの問題に取り組んだ。その経験から、学生と企業の双方の勘違いを指摘し、学生に心得を説く。いわく「先行き不透明な時代、企業は『適応』でなく『適応力』を求めている」「自分にぴったりの仕事なんてない」「CMのイメージで就職先を決めるな」——。そして理不尽でデタラメな社会を生き抜くために、帰還場所=ホームベースをつくれという。人生はいいとこ取りはできない、と。真っ当な原論。就活の実践に即座には役立たなそうだが、長い人生には効き目があるかも。 ◇ 太田出