気象を操作したいと願った人間の歴史 著者:ジェイムズ・ロジャー・フレミング 出版社:紀伊國屋書店 ジャンル:歴史・地理・民俗 気象を操作したいと願った人間の歴史 [著]J・R・フレミング [訳]鬼澤忍 著者は雲物理の研究歴があり、気象改変の歴史研究を専門にする科学史家。先住民の雨乞いから始まり、19世紀の大砲を使った降雨技術、各種化学物質を蒸散させる方法、更には20世紀、飛行機で粒子を播(ま)く人工降雨や大気圏遥(はる)か上空で水爆を爆発させる実験まで! 天候改変の試みの歴史書としてまずは興味深い。 その上で現在地球工学と呼ばれる地球規模の気象改変構想に切り込む。例えば「温暖化」に対抗するため、宇宙に鏡を打ち上げ「日傘」にする。硫酸塩を高層大気に散布し太陽光を反射させる。海で藻を大発生させ二酸化炭素を取り込む。結果、空に影ができ、空が白くなり、海がどろっとした緑になるかもしれないが。 これ