<同じ社会主義の旧ソ連から挙国体制も学んだ中国では、オリンピックでのいびつな「金メダルコンプレックス」によってスポーツ選手への組織的なドーピングが横行していた。こうした「ドーピング」的思考は経済統計等にまで影響を及ぼしている> 日本を含む世界はこのところ、ブラジルで開かれているリオデジャネイロ五輪に注目している。中国のメディアや国民も例外ではない。ただ中国の場合、オリンピックは共産党政権が愛国主義的宣伝を強化する場でしかない。普通まともな国家では、スポーツはまず個人の趣味・嗜好であり、選手は自分の夢を成し遂げるため努力する。今回のオリンピックでイギリスの射撃選手が金メダルを獲得した後、あたふたと農地の収穫のために帰国した、というエピソードを聞くと、中国人は不思議に思う。 中国のスポーツ選手は国家が資金を使って育成するため金メダルはまず国家の栄誉であり、選手個人の成果は二の次だ。中国のスポー