JR東日本長野支社の長野総合車両センター(長野市西和田)で車両の修理作業などに長く従事した小林信五さん(57)=長野市、現佐久平駅勤務=が8月、アスベスト(石綿)が原因とみられる「悪性胸膜中皮腫」と診断され、長野労基署が今月、労災認定したことが30日、分かった。石綿は2006年9月に製造や使用が全面禁止されたが、それまでに鉄道車両などに組み込まれていた石綿含有部品は禁止対象から除外されている。同署は中皮腫発症と同センターでの作業との因果関係を認めた。 旧国鉄時代の石綿被害を補償する「業務災害」認定を鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)から受けた人は全国で472人(9月30日現在)。全国の石綿被害者らを支援している石綿対策全国連絡会議(東京)や厚生労働省によると、1987(昭和62)年の国鉄分割民営化後の石綿の労災認定の統計はないが、JR現役社員の労災認定は極めて少ないという。同