今後2週間、通信衛星や放送衛星などの人工衛星、全地球測位システム(GPS)での高精度測位の誤差の増大などに注意する必要がある――。独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)が警告している。 NICTは5月13日~14日に合計4回の大型の「太陽フレア」と呼ばれる現象を確認、この現象に伴いほぼ同時刻に「デリンジャー」現象の発生も確認した。 太陽フレア現象とは、太陽の黒点群で生じる爆発現象。太陽フレアで強い紫外線やX線、電波などが放射されるだけでなく、高温のガスが放出される「CME」という現象が生じることもある。太陽フレアは、小規模なものからA、B、C、M、Xの順にクラス分けされる。今回確認された太陽フレアはXクラスになる。 デリンジャー現象は、太陽フレアの影響で地上50~500kmの“電離圏”の電子密度が高くなることで、地上からの電波は電離圏に反射されずに吸収され、周波数3~30MHzの短波の