文化とはシームレスなものである、と書いた。 もちろん、そこにはさまざまな区分がある。モーツァルトのオペラとJポップはべつのものだ。ルネサンスの彫刻とワンフェスで売っている美少女フィギュアはべつのものだ。しかし、個々の作品はそれらの区分を超えて影響を与えあっている。 『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦は、ゴーギャンの絵や西洋彫刻から影響を受けていると語っている(参照)。 もしゴーギャンがいなければ、あの華麗な色使いはなかったかもしれない。もしギリシャ彫刻がなければ、カーズやディオは生まれなかったかもしれない。 このように文化は数千年もの時と、数万キロの距離を越えて影響を与えあう。もちろん、そうやって生み出された荒木飛呂彦の作品も、次なる世代に多大な影響を与えている。その連鎖は、おそらく人類の歴史が続くかぎり続いていくことだろう。 だから、ひとつの文化が終わりを告げたように見えても、嘆くこと