初版は昭和46年、僕の生まれる随分前に書かれた『「甘え」の構造』。日本人の価値観や言葉は「甘え」を中心に広がっているという説に基づいた本だ。 「甘え」の構造 [増補普及版] posted with ヨメレバ 土居 健郎 弘文堂 2007-05-15 Amazon Kindle 楽天ブックス 7net 《目次》 著者の心地よい謙遜 欧米にはない「甘え」という概念 「甘え」から派生する言葉 内で甘えて外で厳しい日本人 著者の心地よい謙遜 私は本書で、自分は国語学者でも社会学者でも文明史家でも哲学者でもないのに、本来これら専門家が扱って然るべき事柄にまで言及した。したがって随分見当ちがいのことものべていはしないかと思う。 著者の土居健郎は東京大学医学部を卒業して留学後に同教授を務めた精神科医。つまるところ、かなりの秀才だ。にも関わらず、専門外の一般書を書くことへの彼の謙遜ぶりには心地よいものがあ