子育てに追われて時間がとれない、仕事で疲れて料理する気になれない、一人分を作るのは面倒……。「食べること」が大切だとわかっていても、おろそかになってしまいがちな毎日の料理。そんななか、台所に立つ人を楽にしたいと『一汁一菜でよいという提案』という本を書いたのが、テレビや雑誌でもおなじみの料理研究家・土井善晴さんだ。家庭料理の研究の末に行きついた“一汁一菜”とはどんな食事スタイルなのか、土井さんに聞いた。 基本の形さえもっていれば、食事作りに悩むことはない ――ご著書のなかで、「お料理を作るのがたいへんと感じている人に読んで欲しいのです」という最初の1行がとても印象的です。どんな想いで、この本を書かれたのですか? 土井 何か、私の周りにいる人たちが皆、「毎日の食事作りが大変だ」と訴えるんです。どうしてそんなに大変なのかというのが私にすれば疑問だったわけですが、いろいろ聞いてみると、仕事で帰りが
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