「雑誌が売れない」と言われるようになってから、もう何年くらい経っただろうか。ひょっとしたら若い世代にとっては、雑誌が売れていた時代があったことすら知らないかもしれない。 出版業界に逆風が吹き荒れる中、その風をものともしない雑誌がある。そのひとつが男性ファッション誌の『smart』(宝島社)である。販売部数はこの3年で1.5倍増の24万部。日本ABC協会によると、販売部数は男性ファッション誌分野2位の『MEN'S NON・NO』(14万部)を大きく引き離している。 「男性ファッション誌は本屋で立ち読みすることはあるけど、買ったことはないなあ」という人も多いかもしれない。それなのに、なぜ『smart』は販売部数を伸ばし続けているのか。そのナゾを解き明かすべく、太田智之編集長に迫った。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。 100万部を目指す 土肥:太田編集長、雑誌が売れて