日本考古学協会(東京、菊池徹夫会長)が所蔵している遺跡発掘報告書など約5万6000冊の蔵書が英国の研究所に一括寄贈されることになった問題で、協会は16日、兵庫県明石市内で臨時総会を開き、会員に賛否を聞くために投票した結果、反対が上回り、寄贈がいったん凍結されることが決まった。今後、協会員以外の第三者を含めた特別委員会を設けて対応を検討する。 総会では「発掘報告書は失われた遺跡の貴重な記録。知的財産の海外放出は許されない」など会員から反対の声が相次ぎ、投票の結果、賛成922、反対1111となった。 協会関係者によると、すでに英国のセインズベリー日本芸術研究所に蔵書を寄贈する覚書を今年3月に交わしているが、いったん白紙に戻す可能性もあるという。