移転による跡地の再開発を控えた九州大箱崎キャンパス(福岡市東区)の近くで、学生が集会に使っていた「三畏閣(さんいかく)」の跡地に民間会社が8階建てマンションを建設する計画が浮上し、近隣住民が困惑している。住民は「三畏閣は箱崎キャンパスの一部で、地域の意見を聞いて一体的に再開発される」と考えていたが、九大は「飛び地なので再開発の対象外」と説明。住民が大学や福岡市に質問状を出す事態になっている。 三畏閣があったのは箱崎キャンパスから70メートル離れた住宅地。木造2階建ての純和風建築で、約2500平方メートルの敷地に大学の職員宿舎もあった。そばに住む桑野恵子さん(71)は「茶室や池、梅やドングリがなる木があり、地域のオアシスだった」と懐かしむ。 九大が昨年夏、三畏閣の土地と建物の入札を募集したところ、福岡市のマンション開発会社が約10億円で落札した。会社は建物を解体し、分譲マンションを建てる計画