第159回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が18日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞に高橋弘希さん(38)の「送り火」(文学界5月号)、直木賞に島本理生(りお)さん(35)の「ファーストラヴ」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。 高橋さんは1979年、青森県十和田市生まれ。大学卒業後、予備校講師やロックバンドの活動を経て2014年、「指の骨」で新潮新人賞を受けデビュー。17年「日曜日の人々(サンデーピープル)」で野間文芸新人賞。4度目の候補で芥川賞を射止めた。 受賞作は、都会から青森に転校した中学3年の少年の視点で地方の閉塞(へいそく)感を描く。幻想を交えた繊細な描写で、時に暴力的な少年たちの関係の変化をとらえた。選考委員の作家、島田雅彦さんは「最初の投票で過半数の票を得た。現在に近い話なのに別の時代のようなタイムスリップ感が