福岡市内で最初の豚骨ラーメン店は、1940(昭和15)年ごろに中洲で開業した屋台「三馬路(さんまろ)」とされる。豚骨発祥の店「南京千両」(福岡県久留米市)は横浜の南京街の味をヒントにしたのだが、こちらは本場の中国の味を持ち込んだようだ。 創業者は森堅太郎さん。それまで大陸を渡り歩いた森さんがデパート「福岡玉屋」横で屋台を始めた。戦争の混乱を経て、戦後はラーメンが浸透していく時期。先駆者として人気を集めたのだろう。「三馬路」の味を受け継ぐ者も現れた。 その人物とは森山勝さん(故人)と義弟の手嶋武臣さん(88)。森さんの下で働いていた森山さんは51年、中洲に近い祇園という場所で屋台を開き、手嶋さんは手伝いとして入った。師匠がつけてくれた屋号は「三馬路」ならぬ「五馬路(うまろ)」だった。 手嶋さんからその頃の話を聞いたことがある。初めて食べたラーメンは想像を絶する味だったそうだ。「この世にこんな
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