文化の日の朝、旧奏楽堂のオルガンを使って、試演会ならびにオルガンの構造についての説明が、東京芸大准教授大塚直哉氏によっておこなわれた。今となっては世界的に珍しいニューマティックのアクションで鍵盤とパイプが結ばれている点や、音質が聖歌の合唱と解け合う点など、演奏家ならではの視点から指摘があり、この楽器の重要性を来会者はますます認識することになった。 また、かつては同じ南葵楽堂にあった音楽文庫について、慶大名誉教授美山良夫氏が紹介、オルガン同様幾度かの苦難をこえてのこされてきた2つの遺産が、ここで再び(まずはテーマとして)結びついたことは興味深いをこえて意義深いことである。会場や担当者からは、展示会場ももつ旧奏楽堂で、音楽文庫の展示ができないかとのアイデアも出された。ふりかえれば1967年に南葵音楽文庫の特別公開がおこなわれたのも、上野であった(会場は上野松阪屋)。 なお、この日の小さな再邂逅