*このレポートは2012年度アーカイブズ・カレッジ短期講座の修了論文として提出したものです。 大橋 聡子 はじめに 平成24年度アーカイブズ・カレッジに参加し、初めてアーカイブズ学を学ぶ機会を得ることができた。また、実際に文書館でアーキビストとして勤務する方の実体験も伺い知ることができ、終了後も講義の中で参照のあった関連書籍を興味深く読んだ。 この経験から、個人的に普段扱うことの多い視聴覚メディアであるホームムービーを例にとり、現在日本国内におけるアーカイブズの状況に当てはめて、筆者なりに考察してみたい。 ここで指すホームムービーは、1920年代に一般個人向け映写機とカメラが開発・発売されたことにはじまり、いわゆる「プロフェッショナル」ではない人々によって撮影された非商用の記録映画群で、そのフォーマットは小型映画と呼ばれる8mmや9.5mm、16mmフィルムであることが多い。特に1965年