古都だけに京都市には日本初がいくつもあるが、そのひとつが京都市立芸術大学。1880年に京都府画学校として創立された、芸術系大学としては日本でもっとも長い歴史を持つ大学で、美術と音楽を両軸とする。1980年にそれまで別々の土地にあった美術学部と音楽学部を西京区大枝沓掛のキャンパスに合体させたが、それから30年以上。都心から離れた立地や建物の耐震性能、バリアフリーの問題などが生じ、2013年には京都市に移転・整備に関する要望書を提出するに至った。 その移転先として選ばれたのが京都駅の東側、歩いて数分ほどの距離にある崇仁エリアである。京都には室町時代の自治組織「町組」や明治時代の小学校「番組小学校」の歴史を受け継ぐ学区という、独特の地域活動単位があるが、そのひとつ、崇仁学区の塩小路通りから北側、JRの線路までの間が対象となるエリアである。 崇仁地区は、京都駅のすぐ隣という非常に好立地でありながら