人口減少・超高齢社会を迎える中で、我が国の公務員制度、とりわけ国家公務員制度は、深刻な課題に直面している。我が国では、厳格な定員管理によって公務員数の増加を抑制する取り組みが続けられてきた結果、他の先進諸国と比べても格段に「小さな政府」を実現しているが、近年では、公務員の勤務環境の過酷さが指摘され、志願者数の減少や勤続意欲の低下を招いている。 他方、2000年代以降の国家公務員制度改革によって、公務員人事に対する官邸の主導性が強まり、各府省の行政官が政策形成に関する主体性を喪失しているのではないかとも指摘されている。人材や財源といった行政資源の利用可能性が低下していく資源制約時代において、国民が求める質の高い行政サービスを提供できる体制を維持すること、すなわち、公務員制度の応答性を確保することができるのかが問われている。 本シンポジウムでは、資源制約が強まっているにもかかわらず応答性をさら