これは、強国の調整法だ。じっくりと自分たちのコンディションを調整し、その確認のために親善試合を行い、本番に備える。一方的に押し込まれる試合を体感して、W杯モードの戦術を仕上げていくという弱小国のスタンスではない。 23名のメンバーも固まり、鹿児島合宿も打ち上げた日本代表。いよいよW杯に向けた離陸準備に入った段階だ。毎回週替わりのテーマで語り合う『J論』の第3回は、その壮行試合となるキリンチャレンジカップ・キプロス戦(5月27日・埼玉)について、ちょっと違った視点からフォーカスしていく。今回は川端暁彦が、この試合の位置付けとブラジルW杯における日本代表の立ち位置を考える。 ▼普段のサッカーを普通にする 4年前、壮行試合の相手は韓国だった。 タフで士気も高いチームを相手にしたゲームは、完敗に終わる。日本はその後もイングランド、コートジボワールといったW杯本大会に出場する強豪国とスパーリングを重