羽生善治著「羽生善治の思考」(ぴあ) 5時間24分-。将棋の公式戦でプロ棋士が一手を指すのにかけた最長時間だ。早指し棋戦を除けば、プロのほとんどの対局は8時間以上かけて行われる。そのために昼食休憩や夕食休憩が設けられているのだが、食事にも棋士の個性が出ておもしろい。 たとえば“ひふみん”の愛称で親しまれる加藤一二三九段。「棒銀」という同じ戦法を何十年も指しつづけているように、対局時は昼食と夕食に「うな重」の出前を10年以上も頼み続けていた(最近は寿司の注文が多い)。過去には、天ぷら定食を約7年にわたって頼み続けていたこともある。 一方、羽生名人は特定の得意戦法をもたないオールラウンドプレーヤー。食事にも偏りは少ないが、ときに“羽生マジック”のような常人では考えつかない注文を行う。そこで今回は羽生名人の驚くべき食事をランキング形式で紹介したい。将棋の指し手は理解できなくても、その異才ぶりを感