1998年、高級フルーツの老舗・株式会社千疋屋総本店の6代目当主となった大島博氏。バブル景気崩壊後の社会情勢を前にして、江戸時代から築き上げてきたブランドを根本から再構築する決意をした。それが、2001年に始まった「ブランド・リヴァイタル・プロジェクト」だ。プロジェクトの全貌と真意、そして同社がめざすこれからの千疋屋像に迫るとともに、大島氏が考える永続企業の条件について聞いた。 前編:千疋屋は、いかにして180年続いてきたのか > 幕末以来のターゲット修正――前編では、代表取締役社長に就任された大島さんが2001年に「ブランド・リヴァイタル・プロジェクト」を立ち上げたところまでお聞きしました。具体的にはどんな取り組みをされたのですか。 大島 会社のコンセプトを見直すために、まず一般消費者アンケートを行い、世間から千疋屋がどう見られているのかを把握しました。その結果、わたしも感じていたように