特定の溶液を使って動物の脳をゼリーのように透明化し、一つ一つの細胞レベルまで高い解像度で観察することに、理化学研究所生命システム研究センター(神戸市中央区)などのグループが、成体のマウスと小型のサルで成功した。ヒトの脳の神経細胞がどのように働いているかの解明につながる成果といい、18日の米科学誌セル電子版に掲載された。 グループは、アルコールの化合物「アミノアルコール」などを混ぜた溶液が透明化を促すことを発見。これまで難しかった成体のマウスの全脳に加え、小型のサルの全脳(マウスの約10倍の大きさ)を、2週間程度浸して透明化することに成功した。透明化を妨げる物質の働きを溶液が抑えたと考えられる。 グループは、マウスに光の刺激を与えると脳のどの部分が働くかを調べることにも成功。同センターの上田泰己(ひろき)グループディレクターは「睡眠や覚醒は光の刺激による脳の働きが関わっており、透明化技術