かみ応え・風味を改善 食べ応えのある培養肉を作製する技術が進化している。東京大学の竹内昌治教授らは独自開発の培養装置を使い、トリ由来の細胞を培養して内部まで生きたままの厚さ2センチメートル、重さ約11グラムの培養肉を作製した。かみ応えや風味も改善した。製法の工夫で、将来、1キログラム程度の培養肉を作製できる可能性もある。 新開発の培養装置は、毛細血管より少し太い外径0・28ミリメートルの中空糸を均等に並べた。培養時は細胞入りのゼリー状溶液を中空糸の束の部分に流し込み、中空糸の周りに細胞を配置する。特定の成分を透過する中空糸を使い、中空糸に流した栄養や酸素を糸の外側に染み出させ、培養肉の内部まで行き渡らせる仕組みだ。 竹内教授らはこの装置を使い、長さ7センチ、幅4センチ、厚さ2・25センチメートルの培養肉の作製に成功した。中空糸を除去した肉の重さは約11グラム。培養肉の内部の細胞が死ぬことも
