【バンコク=田原徳容】23日から始まるバンコク国際映画祭の招待作品で、タイの人身売買などを描いた阪本順治監督の話題作「闇の子供たち」が「タイの暗部を強調し、国のイメージを損なう」との主催者側の判断で上映中止になったことが19日、分かった。 同作品は、日本の新聞記者と民間活動団体(NGO)で働く女性が、タイの貧困家庭の子供たちの人身売買や売買春、臓器移植の現実に直面し、子供たちを救おうと奔走する内容。阪本監督が梁石日氏の同名小説を映画化し、日本では8月から公開されている。 主催者側によると、最近になって同作品を見た主催者のタイ国政府観光庁関係者が「観光地タイをアピールする映画祭にふさわしくない」と判断したという。 阪本監督は事務所を通じ「現地に行って事情を確認したい」とコメントした。