早く紹介せねば!と思いながら、もう発売から二週間近くが過ぎてしまった。でも、まだ買っていない人もたくさんいるだろう。まだ遅くない。 宮田珠己部長の新刊『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』(本の雑誌社)。昔からの熱烈なタマキンガーであり、今では文芸部の仲間である私が、今さら宮田部長の本をほめても説得力を感じないかもしれない。 でも、ちがう。本書はこれまでのタマキング本とは一線を画す凄い本なのだ。 まず装丁がむちゃくちゃいい。いまどき、単行本なんて高くて重くて嵩張って…と私でも思うが、本書は単行本でぜひ読みたいと思わせる装丁だ。 しかし装丁は序の口で、中身はもっと凄い。帯には「脱力エッセイ的ブックガイド」とあるが、そんなもんじゃない。たしかにいつも通りに笑えるし、下らない。学術書や人文書にあれこれツッコミを入れて楽しんでいる。でも、私は読んでいるうちに怖くなってきた。タマキングは相変