かつては外国人観光客で賑わった京都。地元経済にとって重要な存在を欠くいま、京都の住民は必ずしも「帰ってきてほしい」とは思っていないようだ──英「ガーディアン」紙の特派員ジャスティン・マッカリーがコロナ禍の京都が抱える“複雑な想い”を綴る。 【画像】京都民の本音 かつての喧騒は何処へ数年前まで、京都でも有数の人気を誇る寺院に続く坂道は、訪れる人たちの忍耐力を試すものだった。観光バスが到着すると、観光客たちは清水寺へと向かう蛇行した細い道に続々と入り込んでいく。 それはコロナ禍以前の風景だ。いまでは、あたりを飛び交っていた異国語の会話の代わりに修学旅行生のおしゃべりが聞こえる。お土産や和菓子を売る店にはほとんど人がいない。彼らは店が繁盛していたあの頃を思い出しているのだろうか。 京都に訪れる外国人観光客たちは、かつては「地元経済にお金をもたらす」という理由で歓迎されていた。だが文化的なタブーを