「ITで企業の競争力を高めるには、利用者のヒューマンスキルを高めることが重要」。ベリングポイントの内田士郎社長は、2008年7月1~3日に開催された「IT Japan 2008」で、グローバル競争でITが果たす役割について講演。ITを活用した競争力強化には、社内のヒューマンスキル向上が欠かせないと力説した。 講演でまず内田社長は、世界で起こっているグローバル化の現状を紹介した。「複数の国でビジネスを展開するグローバル(多国籍)企業は世界に6万社あるが、9割が先進諸国に集中している。さらに、6万社のうち上位100社で世界の総生産の4分の1を占める」(内田社長)ほどに、上位企業への富の集中が起こっている。 グローバル化の影響は、貿易統計にも表れている。「総貿易額のうち3分の1は、例えば、松下電器産業の日本法人と中国現地法人との間で、部品や完成品を輸出入するといった、多国籍企業のグループ内の取引