戦時中に寄せ書きされた日章旗など元日本兵の遺品が国内外のネットオークションで売買されており、塩崎恭久厚生労働相は6日の参院予算委員会で「ご遺族の心情を害する」として、運営会社に自主規制を要請したことを明らかにした。自民党の有村治子氏の質問に答えた。 オークションサイト「ヤフオク!」には日章旗や千人針が出品され、数千円から10万円を超える値段がついている。有村氏は日米の遺族が遺品整理をしている中で出品されている可能性を指摘し、「世代が変わるほど増える可能性がある」として規制を求めた。 だが、出品を止める法的な根拠はない。厚労省は2014年3月にもサイトを運営するヤフーに出品を取りやめるよう求めたが、「処分に困ってやむなく出品したケースもあり、規制は難しい」と断られたという。政府としては「自主的な取り組みに期待」(世耕弘成経済産業相)することしかできないようだ。(井上充昌)