ロイターコラムニスト 田巻 一彦 *投稿における見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。 中国が金融緩和路線を中立方向に転換する方針を3日に表明したが、大幅な金利引き上げ(利上げ)は海外から中国への資金流入を加速させ、過剰流動性を招いて逆にインフレの火を強めることになりかねない。したがって中国当局は緩やかに緩和路線を修正するともに、人民元相場をこれまでよりもやや速いテンポで上昇させる可能性があると予想する。緩やかとは言え金融緩和方針を転換することで、米国や日本などにとっては需要減少の影響が出るだろう。米長期金利には下押し圧力がかかると予測する。 <大幅利上げなら投機マネー流入、インフレ拡大の懸念> 中国共産党中央政治局常務委員会が3日に決定した内容は、適度に緩和的な金融政策を穏健に変更するとともに、積極的な財政政策は維持するというマクロ政