株式会社 日経BP 〒105-8308 東京都港区虎ノ門4丁目3番12号 →GoogleMapでみる <最寄り駅> 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口より徒歩5分 東京メトロ南北線 「六本木一丁目駅」泉ガーデン出口より徒歩7分
日本の産業は空洞化するのか 最近、産業界で「六重苦」ということがよく言われる。 日本国内の高い賃金コスト、高い法人税率、厳しい環境規制。それらに加えて、日本が海外と積極的に自由貿易協定を結べないため、日本からの輸出がハンディーを負っている。東日本大震災と原発事故を受けて、電力の供給に不安が出てきた。その上に世界的な金融危機で為替は円高になっている。 これでは、日本国内で生産を続けるのは難しい。だから海外に出て行くしかない。――これが六重苦の議論だ。 現実に、多くの企業が海外展開のスピードを速めることを真剣に検討している。市場が縮小する国内に留まっては将来展望が描けない。ここはリスクを取ってでも海外ビジネスを拡大するしかない。そう考える経営者が増えている。 大企業だけでなく、中堅企業まで海外展開を検討している。 こうした動きを、多くの人は「空洞化」と呼ぶ。実際、自動車や電機などのメーカーが工
「サマータイム」という言葉を聞いたことのある読者は少なくないと思う。これは昼間の長い夏季に時計を1時間早める習わしのことで、欧米を中心に世界のいろいろな国々で導入されている。夏は日が昇るのが早いので、時計もその分早く進めてアフター5を有意義に過ごそうというわけだ。 ここ数年、政財界を中心にたびたび「日本でもサマータイムの導入を」という話題が上がり、そしてその都度立ち消えになっている。最近では今年(2008年)6月9日、自民党が政調全体会議を開いた。サマータイム法案の扱いを谷垣禎一政調会長に一任することに決めたのである。これはもう「日本でサマータイムは実現しない」とイコールだ。 何しろ谷垣氏といえば、大蔵省時代から「(財政再建と増税以外は)ミスターやらない派」の名前をほしいままにしていた人物である。彼に一任となれば、サマータイムが導入されることはないと見たほうが正しい。せっかくサマータイ
第124回 いま、日銀総裁に求められる資質とは何か 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2008年3月17日 日銀総裁選びが混迷している。 今月7日、政府は武藤敏郎現副総裁を総裁に昇格させ、副総裁に白川方明京大大学院教授と伊藤隆敏東大大学院教授を充てる案を示した。しかし、衆参両院で同意されたのは白川氏のみで、野党が多数を占める参議院では、武藤、伊藤両氏が不同意とされた。 現総裁の任期切れが19日ということもあり、政府は早急な対応策を迫られており、すでに両氏に代わる具体的な名前も何人か挙がっているようだ。 では、民主党はなぜ両氏に不同意だったのか。その根底には、財政と金融の分離が必要だという主張がある。そうなると、金融のトップ人事に、バリバリの財務官僚だった武藤氏と、内閣府経済財政諮問会議の議員である伊藤氏はふさわしくないというわけだ。だが、その主張は正しいのだろうか。
第121回 一見インフレの現在の状況は、デフレである! 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2008年2月25日 先日、ドイツ国営テレビの記者と話をする機会があった。そこで話題になったのは、世の中の大半が、インフレとデフレの判断について誤解をしているという点である。 私は以前から「デフレだから金融緩和をしなくてはいけない」と主張し続けている。ところが、周囲の人たちは「でも消費者物価は上がっているじゃないですか。これはインフレでしょう」と笑う。確かに、1月25日に発表された昨年12月の全国消費者物価指数は、前年同月比で0.8%も上昇した。 しかし、インフレ・デフレの判断は消費者物価で行なってはならないのだ。なぜかといえば、現在の物価上昇は、需給が逼迫したことによる上昇ではないからである。けっして景気が過熱しているわけではない。 ただ単に、原油や穀物などの輸入物価が上昇したことによるコストア
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