一定以上の年齢の人たちは、街の酒店や米屋が、ある日突然コンビニエンスストアに変わっていく様子をたびたび目にしてきたのではないだろうか。一方で、コンビニが増えることに並行して、活気のなくなっていく商店街の姿も見てきたはずだ。戦後の市民の生活と高度成長を支えてきた商店街は、なぜ、かくも急激にプレゼンスを失っていったのか。 そんな問いへの応えが用意されているのが、商店街の変遷と日本の社会状況をテーマに書かれた『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道』(光文社新書)だ。同書を上梓した新雅史氏自身の実家も、かつては酒店を営んでいたという。そんな新氏に「商店街がコンビニに変わっていった状況、そして商店街とショッピングモール」について話を聞いた。 ――1980年代あたりから酒店などをはじめとする商店がコンビニへ変わっていった印象があります。そこにはどんな要因があったのでしょうか? 新