ゴジラ誕生六十年という大きな節目を過ぎ、二年後には、エメリッヒ版ゴジラ公開二十年を迎えます。 私も六十を越え、製作費の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、怪獣としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の特撮映画の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました。 本日は、特撮ファンの高齢化が進む中、ゴジラもまた下火となった場合、どのような在り方が望ましいか、怪獣という立場上、現行の東宝の製作体制に具体的に触れることは控えながら、私が個獣として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。 誕生以来、私は破壊行為を行うと共に、特撮映画の象徴と位置づけられたゴジラの望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる邦画と外画の中にあって、日本の特撮が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして映画界に君臨