2011年10月、日本サッカー協会の“復興支援特任コーチ”に就任した。 部下はいない。ひとりでレンタカーを運転し、沿岸部を回る日々――。 落ち込む夜もあったが、故郷のために走り回った男の1年を追った。 雑誌Numberに連載中の「シリーズ 3.11を越えて」。 東日本大震災から2年の日を前に、Number815号より、 元サッカー日本代表DFの知られざる奮闘をお届けします。 「久さんが、ひとりで復興支援活動をしているんですよ」 そんな話をJリーグ事務局の首藤久雄から聞いたのは、まだ夏の暑さが残る9月上旬だった。 久(きゅう)さんこと加藤久(ひさし)は、'80年代、ハードな守備のDFとして読売クラブの黄金期を支え、日本代表のキャプテンとしても活躍した。1994年に引退すると川崎、湘南、京都などの監督を歴任した。 宮城県出身の久さんが被災地でボランティア活動をしたとしても何ら不思議なことではな
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