24歳の若者が製作費8億円の劇場用アニメの監督に 映画監督になる相応しい年齢はあるだろうか? 日本を例にとれば、映画黄金期の1950年代前後は、撮影所の時代である。大手映画会社の撮影所で助監督として数年間実績を積み重ねて、監督になる。年功序列なので、よほど突出した才能がないかぎり、早くても30代でようやく監督になることができる。もっとも、こんなものはシステム上の都合にすぎない。松竹大船撮影所の助監督だった大島渚は、助監督なんて3年やれば充分だと、脚本や映画批評などで頭角を現し、27歳で監督に抜擢されている。戦前の映画黎明期に活躍した日本映画史に名を残す監督たちがデビューした年齢を見ると、山中貞雄(23歳)、溝口健二(24歳)、小津安二郎(23歳)、マキノ雅弘(18歳)と若い。海外に目を向けてもスティーブン・スピルバーグ(28歳)、ジェームズ・キャメロン(27歳)、クリストファー・ノーラン(